FantasyⅮarker

ヘラヘタ

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重い剣を引きずりながら魔王城の奥へと進んでいく階段を登り進んでいく

心なしか残酷で神秘的なメロディーが流れる、無限に続く様な赤いカーペット

と、多数の不気味な偶像がこっちを睨んで視ている。

そんな場所も終わりを告げた、趣味の悪い玉座に動物の骨の被り物を被り

黒く丈が長い服を纏い、あたりには禍々しい雰囲気が漂っている。


勇者

「お前が魔王なのか?」

魔王

「あぁ、人間達は私をそう呼ぶ」

魔王

「ところで仲間達はどうした?」   

勇者

「............」

魔王

「死んだんだろ?」

勇者

「お前が殺した!!」

魔王

「私が?私は殺しちゃいないよ他の魔物が殺したんだろ?」

魔王

「お前は国で殺人がおきたら国王が殺したと言うのか?」

勇者

「五月蝿い!殺してやる!!」

魔王

「まぁ落ち着けよ君が来るまで実に退屈していたんだ、もう少しぐらい話そう

じゃないか勇者とやら」

勇者

「お前と話すことなど何も無い!お前を殺してアイナを助け出す!」

魔王

「アイナ?....私がさらった君の妹のピンク髪ちゃんのことかい?」

魔王

「アレならもう再開を果たしたじゃないか」

勇者

「訳が分からない!なにを言っている!?」

魔王

「ほら魔王城の門を守っていた白い魔物いただろ?」

魔王

「アレ君の妹だよ」

勇者

「そんなわけないだろ!あんなのは人間じゃなくて魔物だ!!」

魔王

「いんや、ピンク髪ちゃんだよ私がこの手で改造したんだから」

勇者

「改造?」

魔王

「君が散々殺してきた魔物たちあれは元いや今でも人間なのだよ」

勇者

「ふざけた事をぬかすな!」

魔王

「昔むかし7人の科学者達は度重なる研究の失敗で頭を抱えていた、彼ら科学者た

ちは、永遠の魂と肉体を手に入れる為の研究をしていた、いくら傷つけても再生す

る肉体、年を取らず生き続ける魂、正に不老不死を彼らは目指していた、

科学、魔法、呪詛、呪い、研究者たちは幾度も挑戦し失敗を繰り返していた、そん

な中一人の研究者が提案をした、人間を使って研究をしようと、研究は本来小動物

などを使うものだ、当然人間で研究をするのはタブーとされているだが研究者達は

切羽詰まっていた乗り気でない者もいたが他の研究者達も人間を使う事に同意した

人間を使うとしてもまず使う人間を用意しなきゃいけない彼らは村から人間を攫う

事にした、彼らはすぐに幼い男の子を攫ってきた、幼子はうろたえていたが研究を

始めた不老不死の研究で産まれた特殊なエキスを注射器で幼子に

注入したすると幼子の姿が見る見るうちに変わっていく、幼子の体が変色し始め体

がどんどん溶けていく、幼子は人間からかけ離れた姿になりながら、「だすげで..」

「お母ざん...」ともがき苦しむが研究は終わらない、何時間経っただろうか

幼子は人間とは言えない何かとなり動かなくなった、一人の研究者が失敗か、と

幼子を閉じ込めていたガラスケースを開けると幼子だった物が開けた研究者の顔に

飛びついた、研究者は取ろうと必死にもがいたが、飛びつかれた研究者の姿が変

わっていき最終的に研究者も人ではない魔物と化した、魔物の存在は人間にとって

はウイルスの様な物だ人間と過度な接触などをすると、その人間が魔物化する

研究をしていた村が魔物に襲われたと書籍に記されているが、違う皆魔物になった

んだよ、魔物化する特徴として自我、知性のある人間が魔物化すると人間と近い姿

を保てる、だが子供や知性のない人間が魔物化するとアメーバじょうの様な魔物な

どになる、魔物化しても自我が無くなる訳じゃない、だが知性のない魔物たちは

自我が薄くそこら辺を歩き回ってる、お前も旅の最初で散々殺しただろ?」

勇者

「そんな...噓だ

..そんなの噓だ!!」

魔王

「噓なんかじゃない」

勇者

「お前を殺せば世界が平和になるんだ!!」

魔王

「話はまだ終わっていない」

勇者

「クソ!!体が動かない、動けよ!!」

魔王

「お前ら人間は我々魔物をはじにおいやった挙句我々を狩りまわり勇者と言う名の

刺客を送り込みお前ら人間は何がしたいんだ?」

勇者

「黙れ!!お前を殺す!殺してやる!!」

魔王

「私はなんでも知りえている、この世界の事も、お前の事も、その上で問おう」

魔王

「汝は何を背負い何の為に戦うか?何の為に旅をして来た?何の為に仲間を見殺し

にした?」

魔王

「お前の妹も死んだ、仲間も死んだ、今人類すら滅亡を始めている、何故お前は現

実から眼をそむく?何故受け入れられない?私を殺したとて魔物は滅亡しない

本当にお前は光であり、選ばれし者であるか?何故お前は私の前に立っている?」

勇者

「それでもお前を殺す!殺す!!」

魔王

「それがお前の答えか...」

魔王

「良かろう好きにしろ私は抵抗しない」


魔王がそう言った瞬間体が動くようになった、俺は魔王の方に歩みを進める

魔王の目の前に止まり剣を構える、「最後に言わせてくれ」「次はお前の番だ」

俺はその瞬間思いっきりに剣を振りかざす、魔王の首が勢いよく落ち、血が飛び散

り花火の様な模様を描く。

勇者

「やったやったぞ!魔王を倒したこれで世界に光が戻る!!」

勇者

「ハハハハハハハハハハフフフッフフハハ」


勇者が魔王を殺し笑っていると、旅の途中で何度も殺した種類の魔物がぞろぞろと

入って来ると大量の魔物が勇者を囲んだ


勇者

「なんだお前ら?俺は最強なんだ、魔王を殺したんだ、お前ら雑魚なんかにやられ

ない」


その時一人の魔物が言った「我ガ王ハ死ンダ栄光アル次ノ世界エト行コウ!」

そう力強く叫ぶと、その魔物はダガーで自らの首を切り死んだ

他の魔物らも「アァ、我ガ友ヨ次ノ世界デモ友デアロウゾ!」「我ガ愛シノ人ヨ今

行クヨ」「オカアチャン、オカアチャン」「次ノ世界デハ僕カッコイイ王様二ナル

ンダ!」「皆アリガトウ!アリガトウ!コンナ私ヲアリガトウ!」

「次ノ世界デハ元二モドレルヨ怖クナイヨ!」「皆デ幸セ二ナロウ!!」


魔物達はそう言い残し次々に自害していった真っ赤にコーティングされる床

壁にまでかかる魔物達の赤い絨毯と無数の魔物の死体

そんな中で勇者は思った


勇者

「俺はいったい何の為に戦うんだ?何もかも失ったもう何も無い、何もいらない

もう失う物はなにも無い、人間が愚かならばそれを正す次なる主となろうぞ」


そして勇者いや魔王は玉座についた





               100年後




勇者

「お前が魔王か?」

魔王

「あぁ人間は俺をそう呼称する」

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