第592話 1円玉
いつも、1円玉をたくさん持っている。
何かを買ってきてもらったときとか、みんなで割り勘にしたときとか。
何かおつりが必要な時にすぐに両替できるように。
用意周到な僕を見て、好きになってくれる人がいるかもしれないから。
1円で始まる恋があってもいいと思うのだ。
しかし、そんな思いとは裏腹に、一切そう言う雰囲気にならない。
むしろ恋愛対象から外されている気がするまである。
曰く、付き合っても1円単位で割り勘しそう、だとか、端数くらい多めに出せよ、だとか。
友達としては便利だけど、恋愛対象としては入らないどころか嫌いとまで言われる始末。
付き合って、そんな割り勘になんてしないし、するのは大人数での集まりの時くらいだし……。
でも、そんなことを言っても、まず付き合うところまでいかなければ、そんなアピールも意味がない。
やっぱり、これやめるかな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます