第573話 ハロウィン
「おやつにする? イタズラにする? それともわ・た・し?」
「いや、ハロウィンってそれじゃないぞ。そもそも今日はハロウィンでもないし……」
「あれ? ハロウィンってなんだっけ? これじゃなかったっけ?」
「トリックオアトリートだよ」
「あー、そうだったそうだった。では改めて……トリックオアトリート!」
「お菓子持ってないからトリックでいいよ」
「え? トリックってどっち?」
「イタズラの方だよ。お菓子持ってないって言ったよな?」
「イタズラって、何したらいいんだろ? ……ってか、ハロウィンってお菓子貰えるんじゃなかったの?」
「別にお菓子貰うイベントではないし、今日は別にハロウィンじゃ……。はぁ、じゃあ、トリックオアトリート」
「え!? お菓子持ってない……」
「じゃあ、トリックだね。ハロウィンの事、教えたげる。あと、いつもそんな無知で行き当たりばったりなことしかしないから、ちゃんとイタズラもするからね。……まあ、そう言うところが好きなんだけど」
「えー! またお勉強? イタズラ? いーやーだー!」
彼女は部屋の奥に引きずられていった。
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