第568話 レストラン

「お」


「あ」


「そっか、いるよな。だって同窓会だもん」


「そうよね、いるわよね。同窓会だもの」


 高校の同窓会に来ると、昔の彼女がいた。


「はぁ、なんであいつ、このレストランにしたかな」


「はぁ、なんであいつ、このレストランにしたのかしらね」


 同じ人を見ながら、同じタイミングで、同じ内容のことを言う。


「ふ。高校の時もこんなことあったよな」


「そうね、あったわね。こうやって同じことを同じタイミングで言うこと」


「で、だいたいあいつが原因なんだよな。良い悪い関係なく」


「懐かしいわね。——でも、このレストランを選んだのは、悪い方よね」


「て、ことはお前もか」


「ええ、そうよ」


「ここで今結婚している人にプロポーズをしたから、同窓会と一緒のレストランだとちょっと嫌だってことがな」


「ここで今結婚している人にプロポーズをしたから、同窓会と一緒のレストランだとちょっと嫌だってことがね」

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