第562話 渡り鳥
彼女が転校してきてから、半年。
もうすぐ、彼女とお別れだ。
親の仕事の関係上、半年ごとくらいに引っ越しをしているらしい。
いままで何度も引っ越していて、今回も例外ではない。
彼女は可愛かった。
顔が、ってのもあるけれど、性格が可愛かったってのが一番だ。
何度も転校して、何度もみんなと友達になっている。
だから、仲良くなるのが上手い。
すぐに転校するから失敗してもいいやって思っているのもあるんだろうけど。
こんな僕にでも優しくしてくれたから。
可愛いと思った。
でも、もう会えなくなってしまう。
もちろん死ぬわけじゃないし、連絡先ももらっているから、いつかは会える。
けれど、今みたいに気軽に毎日会う、みたいなことはなくなってしまう。
渡り鳥みたいに、飛んで行ってしまう。
なら、彼女が飛んで行ってしまわないように――。
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