第552話 パンツ

「パンツが~」


 クラスの女子がそんなことを言う。


 教室中の男子が聞き耳をたてる。


 よく聞いてみると、下着のパンツではなく、ズボンの方だった。


 しかし、そんな何でもないことでも、本気になるのが男子だ。


 何も示し合わせてはいなかったが、それを機に、男子が全員ズボンのことをパンツと言い出した。


 それもこれも、クラスに、学校にズボンのことをパンツという風習をつけるため。


 そうすることで、可愛いあの子も、好きなあの子も。


 女子がパンツと平然と言う。


 ただそれだけの事。


 男子高校生にとっては、されどそんな事。


 今まであまり協力のしていなかった男子が一致団結するようになった。

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