第五回こむら川朗読小説大賞の振り返り
『逆光の樹影、ガラスのリノウ』〜主催を狙いつつ性癖どっぷりの話を書いたら真面目な感想がどっさり来てびびったけど評価は過去最高で主催スナイプもまあまあ上手くいった話〜
先日講評が出た第五回こむら川朗読小説大賞も振り返っていこうと思います。まずは一作目『逆光の樹影、ガラスのリノウ』から行きましょう。
まず大前提として、本作は同時期に開催されていた他企画「同題異話 七月号」に参加したこともあって、そちらの主催様が「存在しない言葉」として設定された「リノウ」をどう解釈・消化するかというアンサーになっています。何度かツイートもしてるので手短に説明すると、リノウってキラキラしてるなあていうところから最後のシーンを思いつき、それに向けて残りの展開を組み立てました。この時点で和BLであることとある程度の時代設定、受けが病弱というのも決めていたので、「先に逝った攻めを追って死ぬ受け」という性癖……もとい話の骨子に一番説得力を与えてくれる時代ということで太平洋戦争の頃を選びました。
また、なぜ関西弁かというのをお話しすると、大賞作品を朗読されるVtuberの鹿さんが関西弁Vtuberを名乗っておられるのがまずひとつ。もうひとつは去る二月にやっていた戦うイケメン中編コンテストに関西弁のおっさんを出したらこむら川主催の謎の有袋類さんに刺さり、さらに六月のストロングゼロBLを書くお祭りでも関西弁を書いたら刺さったというのがありました。
……てことはこれ、関西弁を投げつけたら評価が上がって良いのでは? ついでに病弱な受けに年上のお兄さん属性と気だるげな口調とセミロングの黒髪を付与して、攻めをバリバリでないにしてもそれなりに鍛えられた軍人にすれば、あら不思議!
というわけで、この話の根底にあるのはゴリゴリの性癖と打算なのでした。もし性癖小説選手権も同時開催されていたら間違いなくそちらにも出していたと思います。受賞はなりませんでしたがピックアップには食い込んだので、闇の有袋類一点狙い作戦もまあ上手くいったと言えるでしょう。ピックアップされて尚且つ各賞の候補に残れるかって本当に運がものを言うし、自分はそれが体感としてめちゃくちゃあるので……
蓋を開けたら過去一読んでもらえて嬉しい限りなんですが、如何せん私があら不思議! のノリで書いて出したので思った以上の反響と「悲劇」の感想にびっくりしました。良くも悪くも日本人なら世代を問わず広く馴染みのある時代を選んだのが効いたのかなと個人的には思っています。あら不思議!
ちなみに昌が海軍所属なのは、真っ先に思い浮かんだ昌のビジュアルが白い軍服と丸眼鏡の笑顔が可愛い青年だったからです。軍服の色から調べて海軍にしました。各機関の場所とか当時の学校教育を調べつつの執筆だったんですが、だいたいいつも何かしら調べながら書いてるので通常運転というところですね。専門外ということもあって和物は特に調べ物が増えます。
以上、「主催を狙いつつ性癖どっぷりの話を書いたら真面目な感想がどっさり来てびびったけど評価は過去最高で主催スナイプもまあまあ上手くいった話」でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます