SAN値の片っぽ
霧這
涙は海に入れば見えないさ
魔法が存在しない世界のシンデレラ少年が
御祈祷を持って自分自身を祓おうと
橋の上、海を見つめている
流木と空き缶とプラスチックがゆらゆら
風はアイマスクをする様に覆ってる
戦地で傷を負った人魚が
野次馬が枝で突くから少年は
いてもたっても居られず
廃墟されたリアカーに人魚を乗せて
片方だけSAN値を与えた
ちょっぴり生きた心地がしたからだ
「人魚の肉は要らないよ
僕はこのまま満たされたまま
死にたいので」と感謝を言う
感動も絶望も一切何もないまま
沈んだ時、凪がそっと見守る
人魚は彼を食べました
SAN値の片っぽ 霧這 @Sachi8hyA9sya7
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます