第08話 蒲郡坪郷のヤングケアラー
Newcomer:
吉賀将大 MASAHIRO YOSHIGA
小宮三朗 SABURO KOMIYA
富士野竜騎 RYUKI FUJINO
ネコの弟の三朗くんと同級生の富士野くんは、茶化ラ塚のことをどう思っている?
三朗「爽快なまでに過激っす! オイラもチャイナのスリット履きてえー!」
竜騎「僕は大道具がやってみたい。目指すは縁の下の力持ちです」
そんな竜騎くんは、今日、08月27日(SAT)が誕生日。
コロナ下だから、6人で外食と言う決断は難しいので、磐咏家に呼んで
リビングと仏間に三人ずつに分けて、家庭料理を振る舞うことにした。
スーパーマーケットで売っている袋麺がメインで
その上にカット野菜を乗せて、特製ドレッシングをかける。
ドレッシングは玉ねぎをすりおろしたものがベースになっている。
納涼仕立てで、コスパも最高な逸品の完成。
磐咏家の両親は母親が脳腫瘍、父親が脳梗塞を患い、
身の回りのことは自分でやるようになった。
この前、TVで僕達のような境遇のことを「ヤングケアラー」と紹介。
2年D組には、同じ境遇の子は居ないけど
もっと周囲を頼ってもいいのでは? と、思い始めている。
ゲスト01:富士野竜騎くんに対して招集された
ゲスト02:吉賀美幸ちゃんは、彼に渾身の似顔絵をプレゼント。
楽器演奏ではなりを潜めていた美幸ちゃんの才能だが、
美術の成績は超一級品! 将来の夢は絵本作家だといつか語ってくれた。
弟の吉賀将大くんは作文が上手なので、絵本の原作を担えば
姉弟で綴る珠玉の一冊が完成するかも知れない。
僕は言わずと知れた音楽家系に生まれたサラブレッドだが
作詞作曲の分野には、未だ進出しておらず。
尊敬する土橋琴子先生のような、大胆で繊細な世界観を漠然と目標にしている。
歌唱はやらない。Adoさんのような存在を知ってしまったら
どう自己表現していいか迷ってしまう。
彼女は発声することが、声真似することが、上質な遊びだったと言う。
男性版Adoって誰だ?
見つかれば、上手に声真似出来れば、僕にも活路を見出せるかも知れない。
急務は自分自身で詞曲を仕上げること。
音楽に頼らない人生だってある。そっちの方が心地良いこともあるだろう。
美幸ちゃんが夢を熱く語ってくれたことは先述通りだ。
僕の自己実現が誰かの後押しになり、追い風になることは喜ばしい。
詞曲を完成させる。言葉にすれば、わずか数文字の誓いが
何年先に実現出来るか判らないが
今、眼前には将来の目標があり、それをカタチにするノウハウを知っている。
富士野竜騎くんは漫画家では無く、冒険漫画収集家になりたいと言う。
その収集結果によっては分析本を著したり、研究論文を書いたりするのだろう。
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