第80話 昼寝と抱擁
そして、そんな一輝の言葉を聞いた綾香は、
「えっ、キスですか?」
少し驚いた様子でそう言った。
しかし、今は綾香以上にその言葉を口にした一輝の方が驚いていて、何で急にこんな言葉が出たのか自分でも分からなかった。
しかし、それでも綾香とキスをしたいという思いは一輝にとって紛れもない事実だった、なので、
「はい、そうです!! 今の綾香さんの姿を観ていたら、僕はどうしても綾香さんとキスをしたくなって思わず本音が出てしまったんです!! だから、綾香さんさえよかったら、僕とキスをしてくれませんか?」
一輝は力強くそう言った。そして、そんな一輝の言葉を聞いた綾香は、
「えっ、えっと、それはですね……」
そんな風に力強く言われて、綾香は少しの間、少し慌てながら考えているようだったが。
「ええ、いいですよ、一輝くんキスをしましょう」
綾香は納得した様子でそう言った。しかし、
「えっ、いいんですか?」
その答えを聞いて、一輝がそう言うと。
「ええ、勿論です、私は一輝くんの彼女なので、それくらいのお願いは叶えて上げます。ただ、一輝くんの反応を見ると、もしかして今の発言は冗談だったのですか?」
綾香はそう言ったので。
「いえ!! そんな事は無いです、僕は綾香さんと本当にキスをしたいです!!」
一輝は慌ててそう言った。すると、
「そうですか、分かりました、それなら一輝くん、今から私とキスをして下さい」
綾香はそう言って、ベッドに寝ころんだまま目を閉じた。なので、
「……分かりました、それなら綾香さん、今からキスをしますね」
一輝がそう言うと。
「ええ、来て下さい、一輝くん」
綾香はそう答えたので、一輝は自分のベッドに寝ころんでいる綾香に自分の顔を近づけて、綾香とゆっくりとキスをした。そして、
「……ん」
数秒間キスをして、一輝が綾香から唇を離すと。
「ふふ、ありがとうございます、一輝くん」
綾香は少しだけ頬を染めながら、嬉しそうな笑みを浮かべてそう言ったので。
「いえ、こちらこそ、ありがとうございます」
一輝も自分の顔が熱くなるのを感じつつも、素直にそう言った。すると、
「……えっと、一輝くん、一輝くんからキスをしたいと初めて言ってもらって嬉しかったので、私からお礼をしてもいいですか?」
綾香はそんな事を言ったので。
「お礼ですか? いいですよ、何ですか?」
一輝がそう答えると。
「分かりました、それでは行きますね」
綾香はそう言って、ゆっくりと一輝の目の前まで自分の体を近づけて来た。そして、
「一輝くん、失礼します!!」
綾香はそう言うと、綾香は寝ころんだまま力強く一輝の体を抱き締めて来た。なので、
「えっ、綾香さん!?」
突然の彼女の行動に驚いて、一輝が焦りながらそう言うと。
「実は私、毎晩寝る時は一輝くんにプレゼントして貰ったぬいぐるみを抱き締めて寝ているんです。でも、今日はぬいぐるみが無いので、代わりに一輝くんを抱き締めてお昼寝をしようと思います」
綾香はそう言った。そして、
「一輝くんもそれでもいいですか?」
一輝の胸に自分の顔を埋めながら、綾香はそう言ったので。
「……ええ、いいですよ」
一輝が冷静さを装いながらそう言うと。
「ふふ、ありがとうございます」
綾香は嬉しそうにそう言うと、そのまま一輝の胸元に自分の顔を埋めて来た。しかし、
(……ヤバい)
嬉しそうにしている綾香とは裏腹に、一輝は自分の内側から高ぶっている感情を抑えるのに必死になっていた。
綾香は結構着やせするタイプなのか、普段の一輝はそこまで意識をしていなかったのだが。
一輝の腹の辺りに当たっている綾香の胸はかなり大きくて、自分の腹に押し付けられている綾香の胸の柔らかさに一輝がかなり悶々としていると。
「一輝くん、どうかしましたか?」
綾香が一輝に対してそう質問をして来たので、一輝は何と答えようか迷ったのだが。
頭を使って考えようとしても、ずっと自分の腹に当たっている綾香の柔らかい胸の感触に惑わされ、思考が全く纏まらなかった。そして、
「えっと、綾香さんの胸はどれくらいの大きさなんですか?」
緊張と興奮でおかしくなっていた一輝は咄嗟にそんなとんでもないことを口にした。すると、
「えっ、胸って……もう、一輝くん、急に何を言っているんですか? 幾ら恋人通しでも言っていいことと悪いことがありますよ」
綾香は少し焦ったような口調でそんな事を言ったので。
「えっ、あっ、そうですよね、すみません、綾香さん、今の言葉は忘れて下さい!!」
一輝は慌ててそう言った。すると、
「……もう、仕方がないですね」
綾香はそう言った。なので、その言葉を聞いた一輝は許して貰えて良かったと一息ついたのだが。
何を思ったのか、綾香は一輝の胸元から自分の顔を話すと、そのまま一輝の耳元へと綾香は自分の唇をゆっくりと近づけて来た。そして、
「一輝くん……私の胸は××センチのEカップですよ」
一輝の耳元で綾香はそう囁いた。
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