　落ちていく

　どこまでも落ちていく

　果てしなく　落ちていくよ

　余りにも長い間を落ちて来たせいで

　色々な事を考えてしまうよ

　例えば……そう　落ちていると感じているのは実は僕だけで

　本当は何も変わっていない

　あの日と変わらぬ場所に　僕は立っていて

　ただ　落ちていく夢を見ているだけなんじゃないか　とか

　だけど詰まるところ　これは僕一人の問題

　だから　夢であろうとなかろうと

　ほかの人達には関係のない事なのかも

　だって僕はまだ　何もしていないのだから

　教室で座っていても

　街を歩いていても

　誰かの後ろ姿ばかり　目に入ってしまう

　何気ないニュースの一場面でさえ

　誰かの後ろ姿ばかり　追いかけている

　浅ましい　我が魂

　自分を責める事にすら　もう疲れ果てたその先に

　舞い踊る君の後ろ姿があった

　いつも前だけを見て生きてきた君の　後ろ姿だった

　そして

　落ちていく

　どこまでも落ちていく

　果てしなく落ちゆく先に

　未だ底は見えない

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