後ろ向きに後ずさりする

 自分が自分以上の何者でもなく


 自分が自分以外の何者でもないと知った今


 この頬が涙で濡れる事はなくなった


 この胸が疼く事もなくなった


 しかし同時に 寂しいと思う感情すらも


 何処へと置き忘れて来てしまったのだ




 私は夢追い人であるのかもしれない


 だが決して夢見人などではなかった


 揺るぎない証は今も手の中にある


 貴方の目にはそれも映らない




 星々は死を祝福する


 月は間違いを正しはしないが


 より良い選択肢へと導いてくれる


 太陽は夢を見せる


 だから私は逃げ続ける


 その光の届かぬ処まで

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