Otometicomedian

 ぼくは道化師


 ぼくは人を笑わせるのが仕事


 だから 僕自身も笑みを絶やさないのさ


 でも 誰も考えてはいない


 こんなにも近しいあんたでさえ


 戯けた化粧の下を流れる


 しょっぱい滴の影に気付きもしない


 いいのさ 無理に気遣ってくれなくて


 ぼくは一言も頼んじゃいない


 ぼくが口にするのは つまらない愚痴と皮肉と


 無意味な冗談だけ


 ぼくの言葉が あんたの頬を緩ます瞬間


 それを見たぼくの心が和む瞬間


 それだけが真実さ


 そのほかはみーんな嘘っぱち


 ぼくも あんたの存在も 何の意味もない


 理由があって存在しているものなんて


 みんな 人のつくり出した幻想さ


 まあ 理由や意味を物事に与えるのは勝手だけど


 人の心は自由だからね


 でも みんなが自分達の存在を始めとして


 森羅万象に意味を求めたがる一方で


 何の意味もない


 ナンセンスな笑い ナンセンスな文学 ナンセンスな芸術に


 すごく親しみを覚えてる


 親しい…… それは当たってるよ


 みんな 無意味な存在なんだから


 一つの生命の誕生も 多くの生命の死も


 世界にとってはナンセンスな悲喜劇の一幕ってわけ


 さあ もうお帰り もうすぐ幕が開くよ


 あんたの出番さ 気楽に演じなよ

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