オワリノナイカナシミ/ニクシミ

 見上げた赤い月が今夜も揺れている


 彼女が死んだ日


 男は立ち尽す




 男は知っていた


 復讐ほど虚しいものはない


 男は知っていたけれど




 朝焼けの中に月は溶けていく


 彼女はもういない


 それでも男は立ち尽す

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