どこにも行けない魂

 時計台の血塗られた長針の下に


 すすり泣く亡者どもの宴


 円卓に並ぶのは


 憎しみと怒りと終わる事のない悲しみ


 虚無の痛みに彩られ


 嘆きの杯を交わす




 思い出されるのは


 赤い記憶だけ


 王者の剣は侯爵の首を刎ね


 司祭を斬った長刀は信者を屠る


 農場主を突いた槍は 小作人の身体へと打ち込まれるし


 料理長の脳髄を割った斧は 給仕をも真二つにする




 刃は常に弱者へと向けられている

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