第20話 『プロポーズされてません♡』

20.


坂口 side:



 3人より少ないなら、そして参加を募ったのが女性なら

普通分かるよね。別れる時、ふたりだったからな。


 『今度お茶おごってくださいね』


 『そうですね、景品がないのでそれにしましょう』


 そこでふと、俺は気付いてしまった。

 主催者の女性はあの時何故いなかったのか? と。


 『変な事聞きますけど、解散後はみんな一緒に店を出たんですよね? 』



 『あっ、それっ、ふふふっ。

 主催者は真理さんって人だったんだけど、自分の用事で私達より

先に、さっさと帰っちゃったんですよ。笑っちゃった』


 やっぱりかー。

 じゃぁ、その真理って人が帰った後、高橋さんはあの男とふたり

きりだったんだ。


 やなシチュエーションを聞いてしまい、、焦りとイライラが

どうにも止まらない。


 しかしここで以前のような失敗の二の舞をしてはならぬぅ~。


  『ははっ、強烈に個性的な人ですね。

ところでびよーんって伸びるチーズ、ラクレットチーズってあるでしょ?

評判の美味しい店があるんですけど週末食レポしませんか? 』



 『とろけるチーズですね。

 わぁ、おいしそっ。ぜひっ』



 ふーっ、なんとか休日にまた会えそうだ。

 告白できるかは分からないが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る