第2話 マスター達と黒猫の少年


「あの砂漠の惑星ヴァンダルが懐かしいかい?」マスターレーヴが問いかける

コンピュータールームに彼の声が響く


あの赤い砂に砂金に白砂が広がる風景、水晶の丘に黒い石油の泉

砂の海を飛び跳ねる砂魚たち 


夜には三個の月が浮かぶ絶景


「はい、マスター でも此処も好きです とても穏やかな風景の世界です」

AIのエアリス 壁からの声


「まだファリが帰って来ないけど・・作業は勧めないと」

マスターファリ‥彼はレーヴの友人でもある 

浅黒い肌をした砂漠の惑星出身者


鈴が鳴るような綺麗な音

チャイムと共にドアが開く 入って来たのは少女と少年 

どちらもいわば亜人 異業種だった。


マスター・レーヴ 数百年ぶりのマスターは少年というか明るい童心を持っている


でもって、彼の奥方 妻 

それは可愛いこちらも姿も心も少女のような

人魚の姿を受け継いだ‥勿論、二本足だけど‥淡い青の髪をした美少女リリーシュ嬢


彼女は誰かを思い出す‥誰だろうか?



「ああ、リリーシュちゃん」「レーヴ うふふ お弁当を届けに来たの」


「子供が三人もいるのに まるで新婚さんだね」

黒猫耳の少年が笑う 黒い尻尾がゆらり 黒髪に青い瞳

かなりの美形だが、時々 眼つき鋭く 少々怖いというか悪い人という感じがする


「うん、そうだよAIのエアリス 僕はとても悪い人で怖いよ くすくすっ」

ニッと彼はそう言って 嫌な感じの笑みを浮かべた。


「何?どうしたの黒猫のアラシャちゃん」リリーシュ

「アラシャ王?」レーヴ


「ううん、別に ちょっと思考が入ってきただけ」


黒猫の少年は今度は小さな声で呟く「AIのね」


「僕はお金持ちの悪い王様だから、愉快で楽しい事とかいろんな事にチャレンジしたいんだ」 

くすくすっと楽しそうにまた笑ったのだった。

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