『地下鉄エイリアンは、お好み焼きがお好き』

やましん(テンパー)

『地下鉄エイリアンは、お好み焼きがお好き』 材料編 準備

 

『これは、フィクションです。かなり、非常識なギャグです。』


          🍪



 『お好み焼き』という言葉には、大変に微妙な響きがある。

 そもそも、なにが、お好みなのか。


 お客様が、お好みに合わせて、自分で焼く


 という、意味合いもあるらしい。


 その歴史は、この社会の歴史自体を物語るような、複雑なものらしいのだ。


 ときに、人類は、いまや、まだ命懸けではあるが、さかんに宇宙に進出している。


 しかし、宇宙開発よりも、地球の内部の探査は、長い間、謎のままだったのだ。


 人類は、宇宙以上に、自分達の足元を、あまり知らずにいた。


 もちろん、天文学に劣らないくらい、わりに早くから、科学的な様々な研究が、行われては、きたようだ。


 やがて、努力が実り、地震波の研究なども進歩したため、20世紀には、大まかな地球内部の構造は、次第に分かってきてはいた。


 ただ、実物が、なかなか手に入らなかった。


 それが、21世紀前半期には、日本の探査船の活躍もあり、マントルからの初の資料が直に採取されたのだ。


 月の石みたいなものだ。


 それは、世界中で、研究されたのである。


 地球内部の研究は、俄然進歩した。


 しかし、人類がそれで、満足するわけもない。 


 

        ⛴️



 まず、もちろん、お好み焼きは、宇宙にも進出した。


 月にも地球のお好み焼き店の支店ができた。


 やがて、月に多くのドーム都市と、繁華街ができると、成功を目指して、たくさんの人が、様々な店を月に開いたのだが、お好み焼き店も、月の裏側にまでも、たくさん出来たのだ。


 そうして、いま、ついに、お好み焼きは、その名誉に掛けて、地球内部にまで挑むのだ❗



       ・・・・・・


 地下鉄エイリアン。


 それは、宇宙人ではない。


 ある天才が開発した、特殊なロボットと、ちょっと信じがたい地下掘削技術を使った、まったく画期的な方法で、地球の中心まで堀抜くことが可能になった。ほんとに、ウソみたいだ。


 そのロボットは、事実上、無制限のパワーを持つのだという。


 体は、そんなに巨大ではないが、いや、人間大で、小さいのだが、絶対的に強力である。


 そのパワーの源は、宇宙である。


 それは、ダークエネルギーである。


 そのような、まだ、確認もされないものを、ロボットのエネルギーに出来るわけもないのだが、この発明家は、やってしまったのだ。


 それを、革命と呼ぶのだ。


 だから、ロボットは、どのように固いものも、熱いものも、冷たいものも、自分から排除してしまう。それで、空いた穴には、なんと、自分自身が変化して、壁となり、外部からも内部からも、がっちりと、守るのである。


 それで、上部マントルをも掘り抜いた。


 やがて、下部マントルも貫通した。


 そうして、ついに、核の内部に入ったのであった。


 目的は、地球の中心まで、優れた地下世界を切り開くこと、である。

 

 そこに、超高速地下鉄を通すのだ。


 そう、それこそが、天才の夢であった。


 天才は、凄まじい執念で、事業を推進した。


 地下世界は、宇宙人でも、地底人でもなく、地球人類の手で、急速に切り開かれたのである。


 天才は、『地下鉄エイリアン』、と、呼ばれた。


 

         

         🍕


 

 


       

 


 


 


 


 


 


 

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