駆けろ! デッド・チェイス!!
八雲 鏡華
第1話 主人公は死んでしまった!
この物語の主人公。平凡なサラリーマンだった芦早
信号無視の車に
「うおおお! なんてこった! 俺は死んでしまったのか!?」
芦早が
その中からふんわりとした白銀長髪の紅目の少女の顔が現れた。その銀髪が風に
「あなたが芦早 俊さんですね? 私はこの地区担当の死神、アズラです。この度の不幸な事故、お悔やみ申し上げます。早速ですが芦早さんの今後についての説明を……」
いきなりペラペラと
「死神だって!? キミがあの魂を奪う死神なのか!?」
「そうだと言ってるじゃないですか。それに人聞きの悪いことを言わないで下さい。私たちは死者が霊界でしっかりと暮らすことができるようにサポートしているだけです。最近は人間がやたら増えた影響か死者もその分増えて忙しいんですから素直に従って下さい」
「つまり俺はこのまま霊界に連れていかれるってことかい?」
「少し
「う、うおおおお!」
「なっ……!? い、いきなりなんですか!」
突然、大声を出した芦早にアズラは思わず驚いて飛び跳ねる。
「ということはこのままでは俺は本当に死んでしまうって事じゃないか!」
「いや、だからもう死んでいるんですけども」
「俺にはまだやるべきことが……特になにか思いつく訳でもないがとにかくまだ死ぬわけにはいかない! だから大人しく捕まってやることはできないな! さらばだ!」
勢いのまま生きてきた男は死んでもなお、勢いのままに死の運命から逃れるべくして、いきなり
「ちょ……ちょっとー!? く、くそ! まさか逃げ出すなんて……このままでは私のエリートな職歴に傷が……! は、早く追いかけないと!」
黒いローブを脱ぎ棄て、黒基調の軍服ワンピースのような制服が
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