夏休みスペシャル・僕の生きる道
羽弦トリス
夏休みスペシャル・僕の生きる道
夏に誕生日が来て43歳になった。
家族には誕生日を忘れられていたが……。
一般の43歳ならば、会社の中堅として係長くらいが相場だろう。
しかし、僕には叶わぬ夢である。
29歳でうつ病を疑われ、結婚したばかりの30歳で統合失調症になった。
原因は働き過ぎである。週2回は会社に寝泊まりした。
それから、治療が上手く行かずズルズルと時を無駄にして、やっと働ける状態になったのが40を超えてからの話しである。
去年の11月まで働いていたが、低ナトリウム血症で大学病院に入院すると、職場をクビになった。
生産性の無い障がい者は、会社に必要無いらしい。
幸い障害年金を少しもらっているので、助かっているが、これが受給出来ないと僕は生きていけない。
複数の疾患を抱えながらも、何とか人生を諦めずに頑張っている。
それは、家族の存在が大きい。
誕生日は忘れられていたが、僕は何とかして家族を守っていきたい。
僕は1人ではない。
応援してくれる家族、仲間がいる。
一時、会社を恨み、社会を呪ったが捨てたもんじゃない。
障がい者になり、苦汁を何度も飲まされてきたが、その度立ち上がってきた。
あれだけ五月蝿く鳴いていたセミもいなくなった。
僕はいつもうつむき加減に歩いていて気付かなかったが、空が本当に青い事に何だか将来は明るいと感じた。
必ず社会復帰しようと思っている。
夏も後3日で終わるが、僕の闘いは続く。
(終)
夏休みスペシャル・僕の生きる道 羽弦トリス @September-0919
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
羽弦トリスは、転職先を探している最新/羽弦トリス
★40 エッセイ・ノンフィクション 完結済 13話
精神障がい者の日記最新/羽弦トリス
★54 エッセイ・ノンフィクション 連載中 503話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます