リラルルの村の場面設定詰め直し

 2話目の場面設定の練り直し作業です。



場面03:リラルルの村


 ゴーダルートの街から北西に伸びた街道沿いに馬車で半日ほどで着く事ができる、森に囲まれた小村。

 かつては100人以上の村民が住んでいたのだが、現在は村近辺に出没する大猿の影響で殆どの村民が逃げ出し、10人まで人口が減少した。

 今現在村に残っているのは、訳あって村から移住できない者達が殆どである。


 村に残っている施設は、村長の道具屋とその裏の畑、バンカーの経営する(今はララが取り仕切っている)宿屋「寝転ぶウサリン停」、ゼペックの鍛冶屋、共同風呂、マーガレットのニワトリ小屋のみである。


 村の門は複数あったが、街道に面した門以外は今は封鎖されている。

 周囲は木の柵によって覆われており万が一の敵襲に備えているが、人口減少によって警備する者がダニーとクリスだけになってしまった現状では心もとない限りである。


 村の門の脇にはダニーとクリスが訓練に使っている空き地があり、門から村の中心に向かうと大きな広場がある。この広場は村民全員が集まり話し合いをしたり、祭りをするために使われている。広場の片隅には、数メートルの大きな岩がある。


 村周辺の森はうっそうと茂り、松・トウヒ・白樺の木が目立つ。


 多くの村民が村を棄ててしまったため空き家だらけであり、村に立ち寄る旅商人の数も大幅に減った。

 また、リラルルの村に大猿やゴブリン等のモンスターが集まってくるのは、この周囲にターゲットとなる物がないからであり、それはつまり周囲の村落が全滅しているからに他ならない。が、村民たちは未だその事に気づいてはいない。


   *   *   *


 リラルルの村は、最初から全滅させる気で作った村だ。

 数話だけ活躍したキャラを殺して悲劇を演出するような手法が僕は好きではない。まるで悲劇を演出する為だけに、おあつらえ向きにキャラを登場させて殺す。そんな展開はあまりに物語の都合を意識しているように思えるからだ。白々しくすら感じる。

 だから、やるのならずっと慣れ親しんでいたキャラが、それも容赦なく皆殺しにされるべきだと思った。そうでなければ本物の悲劇は描けない。ヒロイックな演出の域を超える本物の悲劇を描く事はできないと考えた。

 結果、書いてるこっちも物凄くダメージを受けたし、そこまでの悲劇をなぜ他の作家があまり描こうとしないのかもよく分かった。

 しかし、それでもやるべきだったと今でも思っている。




場面04:リラルルの村の道具屋(ブライ商店)


 店の名前はブライだが、この店を実際に経営しているのはマーサである。

 店と自宅を兼ねており、カウンターの右手にあるドア、あるいは裏口からブライ村長宅へ入る事ができる。

 最近では自宅の一室を会議室として利用している。




場面05:寝転ぶウサリン停


 バンカーが開業し、今では妻のララが女将を務める木造の宿。

 築10年を超え、少々古ぼけてきている。

 一階に食堂があり、2階に宿泊用の部屋がある。

 リラルルの村には共同風呂が近くにあるため、宿泊客はそこで身体を洗う事ができる。

 廊下の壁の端に、メルルの書いた落書きが散見できる。


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