出現
僕は演奏部屋の扉を閉めて魔術を使って鍵を閉める。
残ったエネルギーを使って
僕は、
「魔薬」はフランが作った薬で、服用者のエネルギーを回復させる物だ。
回復といっても使用されたエネルギーが元に戻るわけではない。
通常、エネルギーは時間経過で回復していくものだ。
使い切ってしまったエネルギーは、しっかりとした休養をとることで徐々に回復し再度使用可能になる。
早い話寝れば回復する。
この「魔薬」はこの回復のサイクルを早めることにより、明日のエネルギーを前借りしているってことらしい。
これを飲めばエネルギーは回復するけど、1日~2日エネルギーが回復しないってことだ。
これを飲み僕は次の任務に移行する。
再び
作戦は簡単、邸内の傭兵団の宿舎に向かい各個撃破する___。
30分後。
事前に調査したルートで邸内を回り、一人二人と確実に数を減らしていく。
15人ほど殺したところで異変に気付く。
やけに邸内が静かだ。
もうそろそろ伯爵の暗殺に気付いて警戒が強まると思っていたんだけど。
それに、邸内のエネルギー濃度が濃くなってる気がする。
「何か起きそうだな、、、。」
最悪すぎる。
ただでさえきついのに謎の女と謎の事象という2つのイレギュラー。
さらに警戒をしながら、さっきよりもハイペースで暗殺を続けていく。
―――――――――――――――――――――――
その頃、演奏の間では_。
伯爵の血が徐々に形を作っていた。
それは円。
そして内側に文字。
そう、術式陣を作り出していた。
幾重にも重ねられた旋律により、固定化された空間内に込められた術式を起動したのだ。
起動条件は眷属にした者の死。
その血肉を触媒としてとある者を顕現させる効果を持つ。
その術式の中にコツコツと足音をたてながら近づく者達がいた。
一人は禿げ頭に厳つい風貌の大柄の男。
そして黒い衣装を身に纏い、くすんだ金色の髪を持つ17歳ほどの少女。
流星団の団長アウグスティンと件の謎の女である。
「おい、ネネ。早く術式を発動させろ。」
「私の仕事は終わったはずです。空間の固定化をするためのエネルギーの提供。それが私の仕事で、あなたの命令を聞くことは契約にありません。」
ネネと呼ばれた少女は嫌悪感を顔に浮かべながら答え踵を返す。
「それに、発動させるためには触媒が足りません。血もそうですが、肉のほうがないですから。」
「ならお前がなれよ。」
アウグスティンはドンッと少女を術式の中に突き飛ばす。
「っ!何を!今私のエネルギーが無くなればどうなるかわからないはずないでしょう!」
暗く光る術式に飲み込まれながら、少女は焦った顔で告げる。
「どうなるかだと?あの方に会えるのなら俺は他の何がどうなろうと関係ないな。」
「あぁ!我が主よ!今一度我が前に姿を表し、我と共に再び恐怖を振り撒こうぞ!」
恍惚とした表情で呼びかけるアウグスティン。
その間には既に少女など写っておらず、見据えるのは己が主人の姿のみ_。
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