〈日常会話で認知症を評価〉
文章を書く時は推敲を重ねられるが、口を出た言葉は取り返しがきかない。
とくに会話では、お互いの話を聞きながら、次の言葉を瞬間的に選んでいる。
つまり〈会話〉の際には高度な脳機能を使っているのだ。
この点に注目して開発されたのが、『日常会話式認知機能評価法』(CANDy: Conversational Assessment of Neurocognitive Dysfunction)である。
従来の認知症スクリーニング法はテスト形式である。
「自分の能力を試されている」と不快に感じる被検者が抵抗感を示す場面もあった。
CANDy法では正解か不正解かを問わないため、認知症検査というよりコミュニケーションツールの側面も感じられる。
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実際には(家族歴、身体状況、興味・関心、一日の過ごし方など)会話例に沿って、30分以上のコミュニケーションをする。
◇会話全体を通しての特徴評価項目
1―1「会話中に同じことを繰り返し質問してくる」
1―2「話している相手に対する理解が曖昧である」
1―3「どのような話をしても関心を示さない」
2―1「会話の内容に広がりがない」
2―2「質問をしても答えられず、ごまかしたり、はぐらかしたりする」
2―3「話が続かない」
3―1「話を早く終わらせたいような印象を受ける」
3―2「会話の内容が漠然としていて具体性がない」
3―3「平易な言葉に言い換えて話さないと、伝わらないことがある」
4―1「話が回りくどい」
4―2「最近のニュースの話題を理解していない」
4―3「今の時刻や日付、季節などが分からない」
5―1「先の予定が分からない」
5―2「会話量に比べて情報量が少ない」
5―3「話がどんどんそれて、違う話になってしまう」
◇これら15項目それぞれに3段階評価をおこなう。
3回以上も見られ会話の流れが途切れる場合は、「よく見られる」の2点。
1~2回あるいは注意深く聞くと気づく場合は、「見られることがある」で1点。
合計点が高い場合は認知症を疑うというもの。
詳しくは、CANDyホームページを御覧あれ。
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