いつのまにか溺愛されてました

@mizinkosan

第1話出会い


「ゆり、いい加減認めて欲しいな…、もう君がいない日々には戻れない。

まあもう二度と離す気もないけどね」


いつのまにこんなことに?




私ユリはどこにでも居る歯科衛生士23歳。

独身、貯金もない、マンネリ彼氏が1人、夢なし、希望なしの干物女



「あんたさ最近干物化が進み過ぎてない?このままじゃ本当にやばいよ」


「なによ唐突に。さやはどうなのよ、最近の商社まんの彼氏とは」


「まあぼちぼちかな。夜の方が微妙でさ全く興奮できないのが難点かな。

 でも彼氏は彼だけじゃないし、とりあえずキープってところ」


このさやは恋多き女なのである

今までは2股だったがこないだの合コンで商社マンの彼をゲットしたらしい

彼女にとっては恋はゲームで最終的に年収がよく顔もいい男性を攻略するのが、目標とのこと


「とりあえず今日も1日お疲れ。今日金曜日だし呑んで帰る?」


「ユリが誘ってくるなんて珍しいね!何かいい事でもあったの?」


「その逆よ!!今付き合ってる彼氏さ、将来が見えないというか。もはや浮気してたんだよ。

こないだ家行ったらさ女物のリップが落ちてるし、いきなりバイクが好きとか言い出して免許取ったと思ったら明らか彼のサイズじゃないライダースジャケットあってこれ黒じゃない?!」


「あー、真っ黒ね。でもあんただってバイクの後ろ無理とかなんとか言ってたんじゃないの?外出たくないとかさ。言ってない?」


言った。かなりしっかり言った。

でもだからって浮気するか?それに仕事以外は家で漫画読みたいし、外出たくないもん。そう私は現実でドキドキできないため漫画を読んでドキドキしたり、感情入りまくりで泣いたりそれが趣味なのです


彼もそれは理解してくれてると思ってたけど違ったらしい


「あーあ。恋愛なんてめんどくさい。このまま孤独死するのかな」


「そんなユリにびっくニュース!今から商社の彼が友達連れてここにきます!

てかもういまーす!じゃじゃーん」


そう言われてさやの方を見たらチャラそうなの男の人とすっごい不機嫌そうなメガネの男の人がいた。

待て、さやに見せてもらった写真的にチャラそうなのがさやの彼だ。なら私にあてがわれるのはあの不機嫌モンスターだ。終わった、帰りたい。


「ごめんね、会社にこれしかいなくて。とりあえずさーやんの言う通り一匹捕まえてきた!褒めて!」


「全然だよ!ゆーやん、ありがとう!」


待てなんだこのカップル。そして不機嫌モンスターの機嫌の悪さ増したぞ。

まさに地獄絵図とはこのことか


「なんか呑みます?」


不機嫌モンスターが話しかけててきた。


「あー梅酒ロックで。てか2人はいちゃいちゃしててこっち気にしてないんで今のうちに帰っても大丈夫ですよ。無理矢理連れてこられたんですよね。なんかすみませんでした」


「いや、多少無理矢理でしたが来たからには呑みます。お気遣いなく」


いや、頼むから帰ってくれ。そして私も帰りたい。

明日は休みだし、帰って漫画読みたい

終電には絶対帰る。


そう自分に誓い、今日更新の漫画を妄想し隣のモンスターの話も聞き解散になるのをひたすら待った。

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