東方妖精譚

あめのま

第1話 おわりのはじまりっぽい話し

光あれと 創世の神が言われ時は過ぎ

悠久の時を経て 栄華を極めし文明を築いた

人族と呼ばれていた生物たちも あるとき終焉の時を迎えた


星と共に生きるという命題も忘れ

人類のもと栄えし文明は星の生命を脅かし

星はその地に住む慈しみながら愛し、また愛されるべき生命たちに

命を喰らいつくされ


いままさに命は枯れ果て自ら崩壊の道を進まんとしたとき


創世の神は言われた、「堕ちよ」、と



        その瞬間 空が落ちた、



幾多の生命を育んできた大海は煮え滾り

大地は瞬きをするまもなく霧散し、なにもかもが消え去り

光をも失ったその星の奥深くに堕ちてしまい 

全てが無に帰った




全てが無に帰り光をも失ったこの星 いや、正確には全て無に飲み込まれてしまった訳ではなかった

無になり堕ちた星が、また光を取り戻す為の救いとして

今度こそ共に生きていく為に、創世の神と星によって生み出された種族 それは「精霊族」


星に産まれ星と共に生き、そしてまた星へと還る


星は喜び咆哮をあげた おそらくかの星は泣いていたのだと思う また生命の光を受けて

歓喜の咆哮をあげたのである


その咆哮は 星の表面を激しく震わせ 再び大地が浮かび上がる 

後の世でツィーチ大陸と呼ばれるようになる


それから長く時は流れる 


星は精霊族を見守り 精霊族もまた星と共に生きる喜びを歌にして讃えながら


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