夜いつの間にか寝落ちしていたのかふと目を醒ますと目の前に黒い影が見えた。

そいつはこう言った。

「オマエハキョウシヌ…」

時計を見ると午後11時を回ったところだった。

この言葉が正しいなら俺はあと1時間足らずで死ぬらしい。

何故だ?急病?事故?災害?色々な可能性が脳裏を駆け巡ったが、もしかして、と1つ思い浮かんだ。

「俺は…俺を尾けていた奴に殺されるのか?」

そう問いかけるが影は何とも形容しがたい不気味な音を立てて消えていった。

俺は誰に殺されるんだ?今日会った人の中で怪しい人はいたか?どうしたらこの運命から逃げられるんだ?

とりあえず窓の鍵を閉め、扉も椅子や机で塞いで外から誰も入れないようにした。

フードの中と服の中には雑誌を仕込み、頭と腹部を守った。

明日を迎えるまであと3分。あとはこのまま何もないことを祈るばかりだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る