しょうもないことを綴るエッセイ疲れた時にどうぞ

那々瀬

最後の晩餐が決まりました

友達が誕生日プレゼントをくれた。もう2ヶ月も過ぎていたから、貰っていないことを忘れていた。

私はあんこが好きだ。誕生日にクラスの3人の子から、あんこを1パックずつ貰った。(あんこ好きが周知の事実になってしまっているのは少し恥ずかしかったが、とても嬉しかった)それから暫くあんこ生活には困っていない。

そして、その友達がくれた誕生日プレゼントというのが、「もなどら」だ。

シャト●ーゼの商品らしいのだが、これがとても美味しかった。

最中とどら焼きの皮の間に、あんこに包まれた求肥が挟まれている。さくふわっとした食感の次に、やわもちっとした食感に歯が吸い込まれていく。

母と一緒に目を輝かせながら食べた。

この瞬間、私の最後の晩餐は決まった。

つまるところ、もうすぐ地球に隕石が落ちてくることになり、地球人全員の不可避の死が確定してしまった時、大勢の人々は最後に何をしようかと慌てふためくだろう。

しかし、私は決して慌てない。

速やかにシャト●ーゼへ行き、家族分のもなどらを買う。(本当は買い占めたいが、きっと最期にもなどらを食べたい人が他にもいるだろうからその配慮としよう)緑茶と共にそれを並べて、最期の一家団欒をしながらもなどらを食し、緑茶で流し込む。これだけ幸せな時間を噛み締めれば、なんの後悔もしないだろう。それで隕石が落ちてきてズドーンだ。

私の最期はこれがいい。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

しょうもないことを綴るエッセイ疲れた時にどうぞ 那々瀬 @nanase_0907

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ