男性収容更生機関 私立黒百合学園

飛烏龍Fei Oolong

プロローグ「黒百合の学び舎」

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 まばゆい朝は、いつも美しいピアノの調べではじまる。

 穏やかな陽光が庭園の木々を優しく照らし、花々はその光をよりたくさん浴びようと花びらをいっぱいに広げて天に向かってその身を伸ばす。


 白亜の学び舎は高くそびえ、はめこまれた窓は陽を受けてつやつやと輝き、流れ込む光は、務めし者達にまた朝を迎えられた事への歓びと感謝の心を与える。

 そして多くの生徒が行き交う様を、今日も聖母の像が慈愛の眼差しで見守っている。


 ここは楽園か、はたまたエデンのオアシスか。


 否、この場所こそ、我が国の「男性」を収容し、更正させる事を目的とした男性収容更生機関


通称「私立黒百合学園しりつくろゆりがくえん」なのである。

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