第10話

 ギルドで報告を行い、報酬を受け取る。

 それと冒険者の残した武器は、私が貰ってもいいのだそうだ。銃と斧と、戦槌。ありがたく使わせて貰おう。

 それと報酬の話になった。


「金貨、五十枚か?」


「ああ、オーガ、オーク、トロールは特別でな……」


 どうやら、大物を狩ってしまったようだ。

 しかし、こんなに資金を出して来て、何に使えとゆうのか。

 半分をミルキーに渡すと、なにやら手続きに入った。ここは、任せよう。適材適所だ。そのための、パーティーでもあるのだし。



 面倒な手続きを終えて、再度街を出る。


「これから日暮れだが、〈暗視〉を持っているのだよな?」


「はいニャ! ヘーキチさんには、一生ついて行くのニャ!」


 良く分らないが、信頼は得られたらしい。

 私達は、夜道を火山に向かって進んだ。


 途中で魔物に襲われる。

 問題となっている熊の魔物も来た。

 武器があるというのは楽だな。

 斧と戦槌で迎撃を行うと、簡単に討伐できた。銛をメインで使っていたが、一対一以外では扱いづらいことが理解できた。


「この武器は、凄い物だったんだな」


「普通の冒険者が使う、一般的なモノですけどニャにか?」


 何だろう? これは突っ込みなのか?

 特殊部隊時には、銃と短剣しか習わなかった。後は、格闘術とか。

 火山の討伐が終わったら、斧と戦槌の師匠でも探してみるか。

 いや武器屋を覗いてみるのも、いいかもしれない。もっと、私向きの武器が見つかる可能性もある。そして、弾丸の補充だな。


 その後、順調に進み、三日後に火山に着いた。





「休むか? 三日間歩きは辛かっただろう?」


 ミルキーは、辛そうだったが、何も言わずに着いて来てくれた。


「……お願いしますニャ」


 これからが本番だ。体調は、万全でなければならない。

 肉を焼き、ミルキーに差し出すが、ミルキーは寝ていた。


「食事は、起きてからだな。まあ、道中は食べながら移動していたんだ。寝かせてやろう」


 周囲を確認する。


「魔物はいないな……」


 私の索敵範囲である、十キロメートル圏内に魔物のいないことを確認した。

 私も気を抜く。


「…………」


 数秒後、目を覚ました。


「マイクロスリープ……。便利な技術を覚えたものだ」


 三日ぶりの睡眠負債を、数秒で返済できた。まあ、サバイバル技術の基本だな。

 私は、肉を齧り始めた。


「む……。塩胡椒を忘れるとは。私もまだまだだ」





 ミルキーも回復したみたいだ。肉を食べている。

 タフなのは、褒められる。

 戦場で生き残れるのは、最後まで走れる者だけだ。


「では行こうか」


「はいニャ!」


 何時もなら、ここで引き返す者が多い。

 やはりミルキーは逸材だった。私の目に狂いはない。


 頼もしいバディーだと思えた。

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