第10話
ギルドで報告を行い、報酬を受け取る。
それと冒険者の残した武器は、私が貰ってもいいのだそうだ。銃と斧と、戦槌。ありがたく使わせて貰おう。
それと報酬の話になった。
「金貨、五十枚か?」
「ああ、オーガ、オーク、トロールは特別でな……」
どうやら、大物を狩ってしまったようだ。
しかし、こんなに資金を出して来て、何に使えとゆうのか。
半分をミルキーに渡すと、なにやら手続きに入った。ここは、任せよう。適材適所だ。そのための、パーティーでもあるのだし。
面倒な手続きを終えて、再度街を出る。
「これから日暮れだが、〈暗視〉を持っているのだよな?」
「はいニャ! ヘーキチさんには、一生ついて行くのニャ!」
良く分らないが、信頼は得られたらしい。
私達は、夜道を火山に向かって進んだ。
途中で魔物に襲われる。
問題となっている熊の魔物も来た。
武器があるというのは楽だな。
斧と戦槌で迎撃を行うと、簡単に討伐できた。銛をメインで使っていたが、一対一以外では扱いづらいことが理解できた。
「この武器は、凄い物だったんだな」
「普通の冒険者が使う、一般的なモノですけどニャにか?」
何だろう? これは突っ込みなのか?
特殊部隊時には、銃と短剣しか習わなかった。後は、格闘術とか。
火山の討伐が終わったら、斧と戦槌の師匠でも探してみるか。
いや武器屋を覗いてみるのも、いいかもしれない。もっと、私向きの武器が見つかる可能性もある。そして、弾丸の補充だな。
その後、順調に進み、三日後に火山に着いた。
◇
「休むか? 三日間歩きは辛かっただろう?」
ミルキーは、辛そうだったが、何も言わずに着いて来てくれた。
「……お願いしますニャ」
これからが本番だ。体調は、万全でなければならない。
肉を焼き、ミルキーに差し出すが、ミルキーは寝ていた。
「食事は、起きてからだな。まあ、道中は食べながら移動していたんだ。寝かせてやろう」
周囲を確認する。
「魔物はいないな……」
私の索敵範囲である、十キロメートル圏内に魔物のいないことを確認した。
私も気を抜く。
「…………」
数秒後、目を覚ました。
「マイクロスリープ……。便利な技術を覚えたものだ」
三日ぶりの睡眠負債を、数秒で返済できた。まあ、サバイバル技術の基本だな。
私は、肉を齧り始めた。
「む……。塩胡椒を忘れるとは。私もまだまだだ」
◇
ミルキーも回復したみたいだ。肉を食べている。
タフなのは、褒められる。
戦場で生き残れるのは、最後まで走れる者だけだ。
「では行こうか」
「はいニャ!」
何時もなら、ここで引き返す者が多い。
やはりミルキーは逸材だった。私の目に狂いはない。
頼もしいバディーだと思えた。
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