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K.Y『アスクロまじ萎えたわ。あの不具合はない』
顔面崩具『アスクロ? ムカついて先週消してやったわwww』
アマリリス『運営どうなってんの?』
ゆまてゃ『イベントは面白かったからヨシ!』
真下チカ@ガチャ禁失敗『アスクロ、ゲーフェス参加するっぽいね。公式に載ってた』
太陽姫『ディヴァの隣じゃんw 悲惨なことなんない?』
瑠璃@フレ募『あんな不具合を出す怠け者揃いの運営だよ? どうせ既存絵の展示だけだって』
インポスター多田『んーみんな厳しいね。詫び石結構手厚かったと思うけど』
ワイは汝・汝はワイ『暗黒時代を乗り越えてきたワイ、涼しい顔でタイムラインを眺めるの巻』
第七人格『アスクロまだ燃えてんの?』
折鶴さや『不具合がっかりだったけど辞められない。アスクロには結構思い入れある』
亜音-ANON-コスプレイヤー『お仕事告知☆ アストラ・クロニクルの公式コスプレイヤーとして、ゲームフェスティバルのブースで受付をさせていただきます! みんな来てね!』
ラーメンオタのメンマ『ゲーフェス行くわ。金欠? 知るか!』
チキンディナー『有名レイヤーで客釣ろうと必死なアスクロくん』
ねここ@ゲーム垢『アスクロがんばれ。応援してる』
────……
日本最大級のゲームの祭典ゲームフェスティバル・ジャパンは、複合コンベンション施設
本番一週間前。今日からブースの設営準備が始まる。
「ぬわー! 暮張メッセ、中には初めて入りましたけど広いですね!」
受付を済ませて入り口をくぐると、天宮が周りを見回しながら感嘆の声をあげた。
暮張メッセの入り口は二階で、一階のイベントスペースへは階段を降りて行く必要がある。
組み立て前の舞台装置や、ブルーシートの上に無造作に置かれた機材たち。忙しなく行き交う大勢の関係者やスタッフ。そんな光景を見下ろし、浬も思わずごくりと息をのんだ。
ゲームの祭典──クリエイターにとってのバトルフィールド。
「ところで久城さん、荷物大丈夫ですか? 片手あいてますし、やっぱりひとつ持ちますよ」
両手いっぱいに荷物を抱えている浬を、天宮は気遣うように言った。今日、設営担当として出てきたのは浬と天宮、宇佐見、黒木の四名。雪平と花里、東はオフィスで作業中だ。
「いや、大丈夫。ありがとう」
「浬ちゃん、無理しちゃだめよ。コントローラーより重いもの持ったことないでしょう?」
「誰がだ。これでも少しは……鍛えて……る……」
「ゲームでですよね?」
「ゲームででしょう?」
「絶対ゲームじゃん!」
「…………降りるぞ」
じーっと見つめてくる女子三人に背を向けて、浬はすたすたと階段を降りた。エレベーターもあるようだが、今は機材搬入用として使われている。
「えーっと。ホール8の、
「おおっ、
「だよな。
天宮の言葉に頷いていると、宇佐見が驚いたように仰け反った。
「えっ、何それ。ちょっとよくわかんない。浬ちゃんと星七って、たまーに謎なところで通じ合ってない?」
「そうね。SMの話かと思ったわ」
「いや、ゴメン、それもわかんない」
「浬ちゃんはMだと思うのだけれど、どう?」
「えーっ、あたし逆派ー!」
「何の話だ?!」
「………………………………」
「真剣に考えんでいい、天宮」
そうこう話しているうちに、ようやく目的の場所へと到達した。
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