第5話 朝の散歩道



黄土色に乾いた道


走れば土煙が舞い上がりそうな道


独り歩けば

木漏れ日に目をそむ


手をかざした向こうに公園が見える


小さな子が

乳母車に乗せた赤子を気遣う母親に見守られて

大きくブランコを漕ぐ


人の手によって作られた長い遊歩道


後ろからエンジンの音が聞こえる

人以外は通ってはいけないこの道に

軽4輪車が作業道具を載せて走っている


通り過ぎて行くタイヤの回転が

赤い枯れ葉を舞い上げてゆっくりと私を追い越して行く


人知れずやって来ていた秋に気付いた時


後ろから吹く風に振り返れば

荷物を乗せた作業者に追い越された私に

時の速さの眩暈が優しく髪を撫でていた

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