晩夏

織風 羊

第1話 黙っていないで・・・。



お願いだよ

何か言ってくれないかな?


僕だけが言うのかい?

貴女も言おうとしているのに


あの夏の出来事は本当だったんだよ

これから訪れる秋を二人で

暑かった日々を冷ましながら

静かに迎えてみないかい?


やがて冬が訪れて

石油ストーブの前で

僕らは肩を寄せ合って

ストーブの炎で二人は顔を赤く染めて

寄り添うんだ


心にある春を

暖炉の前で誓い合おう

やがて来る秋が冬を呼ぶ時に・・・。


二人で見たひまわり畑の上を舞踏して飛んだ蝶のように

僕らは二人でこの暖かい部屋で自由に踊ろうよ


秋が来る前に

二人でまだ暑いテラスで

冷たいカクテルでも飲みながら

そんな話をしようよ


だから

貴女も言おうとしていた言葉

もう言わなくてもいいんだ・・・。


そう

知っているもの

二人は同じ思いでいることを

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