第2話 慧ちゃん

けいちゃんとは、すぐに仲良くなれた。


私は本なんか一冊も読まないけど、慧ちゃんは読書好き。

私はテレビゲームが苦手で見ている方がいいけど、慧ちゃんはさくさくとゲーム上の敵を倒していたりする。

私は誰に対しても笑顔を振りまいてしまうけど、慧ちゃんは本当に仲の良い人にだけにこにこと優しい笑顔を向ける。


私は他人から「明るいね」って言われるけど、

慧ちゃんは「おとなしいね」「落ち着いてるね」とよく言われている。


お互いに気の合う人なら他にいっぱいいるだろうと思う。

慧ちゃんは「おとなしい人同士」で、私は「明るい人同士」で、というように。



でも、慧ちゃんと一緒にいると不思議と無理をする必要がないし、わざわざ遊ばなくてもちょっと話すだけでも楽しいと思えた。

何より空気が合うというか、一緒にいると息がしやすかった。


これが仲良いってことかな。


「好き」ってことなんだろうか。


私の知りたいことが分かるかもしれない。

そう思って私は慧ちゃんに恋することに決めた。


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