第1話クリスマス
「ジングウベー、ジングウベー、しゅじゅがなうー」
僕は今、みんなでお食事するお部屋にいます。
お食事の時間ではないのですが、お外は寒い寒いなので出ては駄目だと言われたからです。
ありさん達にも会えないのでしょぼんとしてましたが、マティアスがお食事するお部屋になら少しの間居てもいいと言ったので、僕は椅子に座ってお外を見てます。
そうしていると自然に浮かんでくる歌がありました。
確か寒い時期の日だったから、きっと浮かんできたのでしょう。
僕は心のまま歌います。
そうするとしょぼんとした気持ちも楽しくなるのだから不思議なものですね。
「天使の歌声が聞こえてくるかと思えば、ユーリの歌声でしたのね」
「ふぉっ!」
歌う事に没頭していた僕は、突然聞こえた声にびくぅっ!となってしまいました。
「ねえしゃま」
「ふふふ。お歌を歌っていたのね」
「はいっ! もうしゅぐくいしゅまちゅでしゅから」
「クイシュマチュ……」
う?
何故か姉様のお眉さんが、グググっと寄っていきましたよ?
ご機嫌ななめ、ですか?
「ねえしゃま?」
「ああ、いえ、何でもないのよ?
ええっと、確かクリスマス、だったかしら?」
「はいっ! しゃんたしゃんが一年間よい子にしていた子にプエゼントを配る日でしゅ!」
「そうだったわね」
ねえ様はちょっと考えた感じで、チラリとエリーナを見ました。
んん?
……はっ!
「ねえしゃま、エリーナは子供じゃないので、しゃんたしゃんはきませんよ?」
優しいねえ様は、エリーナにもサンタさんが来るか心配になったのでしょう。
残念ながらエリーナは大人ですからね、サンタさんは来ないのです。
「そうね、エリーナは大人ですものね」
「ねえしゃまはよい子でしゅから、しゃんたしゃんはきますよ!」
「あら? 私はよい子、なの?」
「あいっ! ねえしゃまは僕の優しくてすてきなねえしゃまでしゅから、間違いなくしゃんたしゃんきましゅっ!」
「うふふ。ユーリからのその言葉が何よりのプレゼントだわ。ありがとう」
ねえ様はそう言ってにっこりと笑うと、お部屋を出て行きました。
サンタさんはねえ様にどんなプレゼントを配るのかな?
楽しみなのです!
そしてプレゼントを貰ったら見せてもらうのです!
もちろん、僕のもお見せするのですよ。
あっ!
プレゼントが入る大きな靴下を用意してもらわなくちゃいけません。
僕とぴょん太の分、2つです!
早く用意しなくちゃですね!
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