第8話 ダメダメ魔法使いを大魔導師に
行く先々の村でポーションを作り、わずかな金で治療。
ポーションの聖女と呼ばれるようになった。
重症者には目隠しして、エリクサーを飲んで貰う。
自分達以外には使わない約束はどうなったって、そんなの重病の患者が目の前にいたら、しょうがないだろう。
そんなこんなで
この世界、職業にはレベルがある。
そのレベルが上がるとスキルを覚えていく。
レベルの上げ方はスキルを使うか、モンスター討伐だ。
もちろん職業の無い俺にはレベルなんて物は無い。
「
「爆弾もできたし、討伐やってみよっか」
「そうね」
「よし、このオーク討伐をやってみよう」
この依頼を受けたのは理由がある。
同じ依頼を受けた
犠牲者第一号だ。
阻止してやりたい。
恩はないがクラスメイトの犠牲者は減らしたいと思う。
俺と
さて、問題の
「そっちにビックGがいるぞ」
「きゃあきゃあ、ゴキブリ嫌い」
悲鳴を上げながらも
どかん、どかんと火柱が幾つも上がる、
一体何発投げたんだ。
その内の一つにビックGは巻き込まれ絶命した。
モンスターは倒されると黒い霧になって消え去り、魔石と素材を残す。
魔石がモンスターがいた所に残されていた。
「
「人助けしてみますか」
悲鳴の元に駆けつけると、魔法使いの格好をした女の子がオークから逃げていた。
ビンゴ。
前回の記憶が甦る。
「悲しいながら、クラスメイトに犠牲者が出た。原因は色々とある。装備の不足。実力の把握が不十分だった。これを解消する為に来訪者のランク付けを行いたい。生産職は前線に出る必要はない。その代わりランクを低く設定させてもらう。戦闘職は前線に立ってもらう。その代わりに十分な待遇を約束しよう」
俺はFランクに置かれたが前線に連れていかれた。
生産職も
ランクによって食事も寝る所も全て差別。
独裁政治みたいな事が始まったのだ。
潰しておきたい。
オークの唸り声で我に返る。
爆弾を取り出し俺はオークに投げつけた。
オークは魔石というお星様になった。
胡散臭いレシピには大変お世話になっています。
「大丈夫?」
「あんた達もっと早く助けなさいよ」
「まあまあ、助けたんだから文句はないだろう」
「
「知っている。ところで後衛一人でどうしたんだ」
「あいつら、オークに敵わないって知って私を囮に逃げ出したのよ」
「そうか。酷い奴らだな」
「このへっぽこ魔導書が役に立てば、こんな事にはならなかったのに」
魔導書を見せてもらうと訓練方法やら理論やら書いてあるが、この本の通りにやれば間違いなしとしか書いてない。
コツに当たる部分がごっそり抜けている。
長年修行してコツを掴めという事なんだろうけど、不親切だ。
「よし、人間を辞めさせてやる。カタログスペック100%」
俺は魔導書を片手に
「魔法撃ってみろ」
「ファイヤーボール」
10メートル程の火球が木に向かって飛んで行く。
木は周りを巻き込み、爆散する。
「ひゃっはー、ファイヤーボール、ファイヤーボール、……ファイヤーボール」
「レベル上がった希ガス。ファイヤーランス、ファイヤーランス、……ファイヤーランス」
森は更地になった。
俺は魔石と素材を拾い歩いて、アイテム鞄に突っ込む。
アイテム鞄どうしたかだって、勿論街でエリクサーを売った時に手に入れたさ。
「
「これで勝つる。馬鹿にしていたあいつらも見返してやれる」
「それで、魔導書なんだがどこで手に入れた」
「
またあいつか。
この展開は分かる。
「
「えー、生徒会長だから信頼してたのに」
「でどうする。俺達は
「よろしく」
何か手を考えないとな。
そんな訳で一人パーティに追加して俺達の旅は続く。
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