身分を隠している俺が空腹のせいで家の前でぶっ倒れていた同級生の女子に昨日の余り物をあげたら懐かれて求婚されました
さらさらじゅぶこ
第1話 家の前に同級生がぶっ倒れてたんだが?
普段カーストの最低値に属する陰キャである俺、橘 快飛(たちばな かいと)は、いつものように学校で半日を過ごして家に帰っていた。
そんな俺には周りに知られてはいけないことがある。
それは俺が有名なモデルであるということ。
学校ではウィッグをつけて撮影の時はウィッグを外すという行為を繰り返すせいでちょっと髪が傷んでる気がする。
「シャンプー買いに行くか」
◇◇◇
流石に近くのスーパーには無いシャンプーを使っているので一度家には帰らなくちゃいけないんだが、誰だあれ?ていうか人んちの玄関前でぶっ倒れてますけど大丈夫なん?!
とりあえず近づいて声をかける。
「大丈夫ですか?!」
すごく辛そうにしてるんだが!
俺が焦っているとぶっ倒れてる彼女からすごく場違いな声が漏れた。
「おなか、空いたよぉ、、、」
「・・・・・・・・は?」
◇◇◇
動けなさそうだったから家に入れて昨日の余り物をあげたんだが食いつきがヤバい。
ほんとに女子なのか?
俺が知ってる女子とか女性はもうちょっとゆっくり食うんだけど、そんなに腹減ってたのか。
流石に心配になる。
ところで、誰この人!
学校で見たことある気がするけどそもそも人と話す機会ないし友達もいないから聞くこともできない。
どうしたらいいんだろう。
とりあえず、マネージャー呼ぶか。
◇◇◇
5分ほど立って俺の家にピーンポーンと音が響く。
マネージャーが来たらしい。
ちなみにこの5分間謎の女子生徒とは「おかわりいります?」「いるっ!」っていうことしか話してない。
「急ぎって言われたから車ぶっ飛ばして来たのにナンデこんなの見せられなくちゃいけないんですか!」
俺のマネージャーは女性なんだが意外と口が悪い。
そして
「何に怒ってんですか」
「いや、女の子を家に連れ込んで今からキャッキャウフフするのを見せられるのかと」
「はぁ?俺この人に会ったの10分前ぐらいですよ?」
「は!もしやナンパした!?それとも無理やり!?」
「バカが、なんで俺がそんなことしなくちゃいけないんですか」
この人、マネージャーである氷上 結花(ひがみ ゆいか)さんは去年まで東大に通ってた超絶美人なんだけど俺には口悪いし、変に話をややこしくしてくるんだよな。
「んで、俺が氷上さんを呼んだ理由なんですけど彼女を家に送ってあげてほしくて、実は玄関前にお腹すいたってぶっ倒れてたんですけど名前もわからないんでそこらへんをどうにかしてくれないかなと」
「え、自分でやりなよ面倒くさい」
付け足し、面倒くさがりである。
「氷上さん知ってるでしょ?俺普段氷上さん以外の女性と話すことないってこと」
「えーでも」
「んじゃこの前言ってた買い物ついて行きますから」
「おっけ!この氷上さんに任せなさい」
なんとも現金な人である。
それから氷上さんと謎の女子生徒だった、飛来 神楽(ひらい かぐら)さんは少し話をしたあとこう言って帰っていった。
「美味しかったよ!また来るね!」
と言ったのだ。
もう来ないでくれよ。
おかげで今日の晩飯ないんだが?
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