「彼の自由に関する研究」を読んで。

旧星 零

前編☆ 無関心さとか、ほんとに興味がない~高校生として


 はじめに前置きを。


 私は、好きなものを好きだと伝えたい。その一心で、小説を書きはじめました。独り善がりで良い。これは趣味なんだ、と言い聞かせていました。


 でも、この作品を読むまで、私は、趣味としてすら、思えていたか分からなかったです。

 ずっと、こたえはありました。私は、上手くなりたい。面白いものを小説という形で表現したい。その気持ちは、ずっと奥底にあって、だから諦められなかった。書くことも読むことも、気付いたら好きになっていた。

 これは、こたえというより、隠したかった気持ちというだけだったかもしれません。


 趣味だと言い張れば、中途はんぱにがんばっても、納得できると……それ以上、本心に触れることは避けていました。


 小説は、読者目線が一番大事だと思っていました。だから、趣味というほど、気軽に書くことが、だんだん苦しくなりました。


 小説は、逃避のためにありました。書くことも、読むことも。ずっとそうでした。そして、書いただけで、読まれなくとも、泣き止んだ日もありました。


 いま思えば、私は、自分に無関心でした。


 感想文の作品として、選んだ「彼の自由に関する研究」という読み切り漫画。


 これは、高校生の自由についてはひと言も描かれていません。あくまで、「彼」と「彼を自由にしたい」人が、笑い合えるまでを描いています。


 だから、私は、泣きました。


 すごく、登場人物が、素直に動いていると思いました。


 創作論とか、読者目線とか……ずっと、小説の立場で考えていた私は、漫画すら、そのために読んでいたこともあります。

 それも辛かった。



 この作品は、もう、そんな気持ちなんか置いてけぼりで、ただ話を追いたいと思った。漫画として読みたいと思いました。

 

 私がいちばん好きな場面は、見開きページです。でも、見開きページだけが好きなのではありません。


 読み返して、何度も考えて、また、読み返して。そして、見開きページを見たとき、理由など、わからなかった。理由が分からないのに、泣いてしまった。


 好きなんです。また、あの作者さまの作品が読みたいです。だれかに共感されなくとも、ただ、あの作品が広まれば、作者さまが有名になれば、私は、楽に生きられるかも、なんて思ってしまいました。



 無関心でした。でも、「彼の自由に関する研究」を読んで、自由になりたいと思った。だから、誰でもいい。自由になりたいと思える作品を創ってください。

 だれかの為になりたいなら。そんな作品をつくりたい作者さまがいれば、創ってください。


 私は、好きです。読者のあなたは、どんな作品が好きですか。



 あっ、これは、前編なので、後編に繋がることをひと言。


 私は、無関心さとか、ほんとに興味がないです。ほんとの、いち高校生としては、無関心さとか、いちばん、辛くて考えたくないことなので。

 キーワードとして、「無関心」を使っています。しかし、続く中編でも、後編でも、そのキーワードは、あくまで私と結びついているだけなのです。


 「彼の自由に関する研究」は、このエッセイを読まずとも、面白いです! そして、このエッセイでは、なるべく私という存在を中心に書いております。

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