第17話 ルイ

僕達は腰に昼食をぶらさげながらギルドに向かって歩く。


「なぁ、オスカー。ソフィの好みってあの神父なのか。どうすれば近づけると思う?」


「さぁ、私には分かりかねます。でも、一般的ではありますが、女性に好いて貰うには物を送ったり、容姿を褒めたりするのが良いと言われていますね。


いつの時代も騎士職は御令嬢方に人気ですからソフィ様もそうかもしれませんね」


 オスカーは涼しい顔をしながらそう答える。騎士職、つまり自分はモテると言いたいのか!?


くそぉ。なんだか悔しい。


 ギルドに入り、依頼書を眺める。今日出ている依頼はオークの巣を叩く事か。張り出された紙を受付へ持って行き、受注する。


どうやらオークはこの先の川沿いの洞窟に巣を作ったようだ。


僕達は剣を抜き、オーク達を討伐していく。すると、オスカーは思い出したようにオークを斬りながら話をする。


「先程ルイ様は熱心にソフィ様の過去を聞こうとしておりましたが、ソフィ様は貴族だった頃の話や魔法については話をはぐらかしていました。何かしら心に傷があると思います。


親に売られたならショックは大きいですしね。その辺は今は触れない方が宜しいかと」


「そうだな。家族から恥ずかしい存在だと言われ続けたら辛いよな。それに王族が平民に落とされるなんてあり得ない。


……肉のお土産、喜ぶかな」


僕達は雑談しながら巣にいた全てのオークを討伐し終えた。


「……そうですね」


僕達はソフィが少しでも喜ぶ物を持って帰る事にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る