第15話
私達は戦闘を終えるとまた馬車に乗り込み進みはじめる。今は私の運転で村に向かっているの。
「ゾエのおかげでよく眠れました。あのスペースはゾエだけが作れるのですか?」
あちゃー。オスカーさん、言っちゃったよ。ルイがなんの事だとこっちを見ているじゃない。
「そんな事はないと思うわ。あまり作る人は居ないけれど、防御魔法が使える人は作れるわ」
「ゾエ、君は治療系以外の魔法も使えるのか。朝のスープも火魔法を使って温めていた」
オスカーは私の魔法に気づいたのね。
「どう答えれば正解なのかは分かりかねます。まぁ、得意では無いですが、使えなくはない。日々生きていく事しか興味が無いので、あまり私自身を詮索されても困りますわ」
聞きたいのは分かるわ。だって魔法使いの大半は攻撃魔法しか使えない。例え、防御魔法や治癒系統の魔法が使えても防御魔法のみ、治療のみと使える魔法が限られている人が殆ど。
前世で私が筆頭補佐になれたのもこの特徴のおかげなのよね。魔力量はかなり少なかったけれど、今世の私は前世よりは魔力量は多いし。
魔力量が多いので、出来る事が増えているわ。でも今は王宮で働く気がないので話さない方が良いと思っているわ。
前世は家族を養う為に働いていたけれど、今世は家族から捨てられ、養う者も居ないから私の人生、好きに生きていきたい。
少し口調が戻ったせいか、空気を察したのかオスカーさんもルイもそれ以上は聞かなかった。
「さぁ、そろそろ村に着くわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます