2度目の出会い
さっきのあいつはなんだったんだ?変な夢か?それとも変な悪夢だ。なんの発展性もない話を続けているが、流石に2話だ、もうそろそろ自己紹介といこうじゃないか。
「ねぇ、あの子ちょっとヤバくない?服血まみれなんだけど」
学校についてそうそうすごい誤解をされた。あのっ、俺の自己紹介……。
「お前に選択肢をやろう。今から職員室に来るか、ここで制服を脱ぐかだ」
生徒指導の鬼山にもそう言われる始末。ここで脱いじゃおうかしら?なんて、世紀末だろ。
「じゃあ職員室で」
もちろん俺は職員室を選んだ。断じて、断じてクーラーの効いた部屋に行きたいからではない。とりあえず冷気をくれ。
「何があった?喧嘩とかする奴じゃ無いだろうお前は」
「ちょっと、ジャムってました」
「お前は機関銃が何かかよ。これ着ろ!」
そう言って大きめの制服を渡された。
「まぁ、代わりと言っちゃぁなんだが転校生が来ることになってな。簡単に案内してやってくれ」
これは来た。もう全てを悟った。こんなラブコメ展開で転校生が美女じゃ無い訳がない。ドアが開きそこに立っていたのは、ジャム女。では無く小柄で茶髪ボブの男の子だった。そう、男の子だったのだ。おい、男に興味はナーッシング!消え失せろ。
「ねぇ、君、お名前なんて言うの?」
「私、桜って言います」
「えっ?あっごめんね?女の子だったんだ」
小さくて聞き取りづらいが、それは確かに女の子の声だった。確かに小柄でボブだ、でもスカートでは無い。なんと言っても目つきが鋭かった。何これ、サイゼの間違い探し?
「いや男ですけど?」
ん?¿?¿?¿驚きのあまりハテナマークが派手なマークになった。ごめん面白くなかった。今から笑わせるからもうちょっと待って。
「桜だから女の子?でもズボンだから女の子だよね。でも今男って言ったよね?」
うん、あぁ、まだ悪夢は続いていたんだ。
今日あった2人の人間。2人にはこの俺が直々にあだ名をつけることにした。
ジャム女はジャムおばさん。転校生は性別不明。
俺の悪夢はまだまだ始まったばかりだと言うのだろうか。悪夢でも夢オチじゃないから安心してね。
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