9話~この手を握って欲しい
「ん……」
日の光が差したようで私は目を覚ました。十月桜を王雅様と一緒に見たけどあのあとどうしたんだっけ……?私は眠い目をしっかり開くとそこには眠っている王雅様がいた。すぐどこうとしたけど足も絡んでるし、腰に手を回されてる……!
私は諦めて眠りについた。
どこもかしこも燃えていてここからは出れない……
呼吸するのも辛くてここで死ぬのか……
「茶々!茶々!起きろ!」
あなたは誰?目を開けるのも辛い。うっすら見えたのは耳飾り。
「ありがとう……。」
私の意識はそこで途絶えた。
「俺は救えなかった」
私は目を開けると
「おはよう。茶々。」
「お、おはようございます。」
整った顔な上ですごくかっこいい顔をしていて囁かれたら誰でもときめくでしょ……!
「顔を洗ってからご飯をここまで持ってこさせるからそれまで寝ていなさい。」
「は、はい」
王雅様はそういうと布団から出て障子を開け外に行った。
「あんなの……好きになっちゃうじゃん……」
私は布団を頭まで被った。
「「「「「「「おはようございます。王雅様。」」」」」」」
「おはよう。」
部屋から出るとそこには剣豪がいた。
「晴臣。今日はお前が茶々にご飯を配膳してくれ。」
「かしこまりました。」
「えー!いいな!」
「僕もやりたい~!」
「お前たちうるさくするな。茶々殿が起きるだろ。」
など朝からワイワイしてた。
「今日のお食事は白米、みそ汁、秋刀魚の塩焼き、漬物だよー!王雅様は茶々殿とご飯食べる?」
と近くにある厨房から顔をだした弥禄が言った。弥禄のつくる料理は本当においしい。俺は弥禄のご飯を食べて育ったもんだ。この城のご飯は弥禄とその使い鬼がやっていて、掃除と洗濯は慶とその使いの鬼がやっている。基本俺たちは剣豪と侍以外使いの者はいない。ほとんど俺たちができてしまうということもあるし、この城に入るだけでも試験がある。剣技、家事、勉強、経営力、などが試される。侍は毎年試験があるのだが、剣豪は4年に試験があるのだが剣豪は基本七人で入れ替わり戦も起きるがこいつらは格が普通の人より違いすぎて今のところ入れ替わりは起きていない。
そんな考え事をしている間に晴臣が食事の乗ったお盆をもった。それを合図に俺は寝ている茶々を起こそうとした。
「茶々。食事の時間だ。」
「……ん、……。」
「……本当にそなたは愛しいなぁ。」
俺は寝ている茶々の髪の毛に手を通した。
「なぁ茶々。今度こそ俺と結婚してくれ。」
たとえ俺を覚えていなくてもいい。
俺のことをまた好きになってくれ。
あの時俺は茶々を1人にしなければ……。
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