第4夜 恣意的ハンバーガー



藁半紙の袋をガサゴソと漁り、それを取り出す。


人肌ほどの暖かさ。横横縦とフィルムを剥がす。


一口。小麦の香り。


もう一口。形容しがたい旨味。加熱された牛肉のボロボロとした触感が増える。


ケチャップとマスタードの酸味が前頭葉を刺激する。


もう一口。もう一口と、くちに押し付ける。


舌も口内へとそれを誘うように波打つ。


がりりと噛んだピクルスの、ちょっぴりした酸っぱさが身に染みる。


暖かさをかき消すように鋭利な冷たさのコーラ。


プラスチックのストローは無味。


吸い込む。吸い込む。


ライム。そしてゾゾと空気が。


「ごちそうさま」



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