総合物語集
衣草薫創KunsouKoromogusa
オムライス
夕方の事だ。
なんとなくインスタを開いてストーリーズを見る。
インスタの面白みは正直理解しがたいが、友達がインスタに写真を載せているという理由だけで私もアプリを入れている。
そんなものだ。
SNSをする理由なんて。
何もJKだからといってみんな好きでやっている訳ではない。
少なくとも私はあんまり好きではない。
それでインスタを開くのは他に開くアプリがなかった。
それだけだ。
「オムライス...」
ある男子がオムライスの写真を載せていたのが目に入った。
その人は電車好きらしく、いつも電車情報を流しているが、この日はイレギュラーだった。
卵はぐちゃっとしていた。
少し固まっていない液体の部分やシワしなっていて上手く包めていない部分。
そこには一言「料理下手」と添えて失敗だと言いたいのかそういう内容の写真だった。
でも卵の下のケチャップライスは美味しそうで、どうしようもなく懐かしさで胸がいっぱいになる。
それは小5の夏の自由研究で作ったオムライス。
卵がフライパンにこびり付き、上手く剥がせなかった破れた卵焼き。
思わず笑ってしまった。
その人にはもうしわけないが、頬が自然と上がってしまうので仕方がない。
少し迷ったが、気付いたら自分の指はハートを押していた。
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