心理的な真理的問題
A『ふと思ったんだけどさ』
B『うん』
A『公共のトイレで大便をする行為ってのは、見ず知らずの人間が生尻を置いていた場所に、自分の生尻を重ねるってことだよな』
B『まあ、間違ってはないな。生尻という言葉はよくわからないが』
A『それと思ったんだけどさ、銭湯ってのは、見ず知らずの人間の金玉が漬けられていた水に自分の金玉も漬けにいく行為ともいえるよな』
B『それもまた間違ってはいないな。ただ、金玉を漬けるという表現が適切かどうかはよくわからないが』
A『あと、レストランってのは、見ず知らずの人間がべろべろと
B『まったくその通りで、なにも間違ってはいないな。もっとも、べろべろという擬音語の使用が適切であるかどうかは疑問ではあるが』
A『あぁ、あと、電車も、見ず知らずの人間が外でたっぷりと掻いてきた汗を染みこませた座席に、自分も汗を染み込ませにいく行為ってことになっちまうよな』
B『そうだな。座席に座るなら、それもまた間違っているとは言えないな。人は少なからず常時汗を掻いている。夏は特に染み込んでいる──いや、染み込ませているといってもいいだろう。
──そうさ、お前の言っていることは何一つ間違っちゃいない。間違っちゃいないが、世の中には言い方ってものがあるんだ』
A『そうだな。たしかに俺の言い方には含みがある。もしかすると、これを聞いた人は、とある強烈な感情を引き出されるかもしれない』
B『ああ、間違いない。実は俺もさっきから聞いていて思わされていた。そこでどうだろう。お互いにせーので、それを言い合うっていうのは。俺の予想が正しければ、俺とお前はきっと同じ気持ちになっていると思うんだ』
A『奇遇だな。実は今俺も同じ提案をしようと思っていたところだ』
B『気が合うな。それじゃあ、いくぞ。──せーのッ』
A・B『『興奮した』』
A『あははは』
B『うししし』
A・B『『間違いねぇなあ!』』
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