治癒魔法
『えー、そうですね。治癒魔法というのは文字通り傷を治す魔法でして、通常の方法は互いの口を付け合い――つまりはキスをすることによって行います。原理を簡単に説明すると、術者の魔力を負傷者に移すということで、負傷者本来が体内に持つ治癒能力を底上げしていく。正しくは、治すというよりもサポートをしていくというわけです。で、あなた……えーっと、名前はなんでしたっけ。ハリー? ああそう、ハリー。で、君は友人のロンに誤って魔法を放って怪我を負わせてしまったわけですよね。なので君はその責任を負わなければなりません。ええ、やりたくないとは思いますが、仕方ありません。それで、ここからが肝心なのですが――え? 魔力を移すだけなら握手でもいいんじゃないですかって? まあ、そう思うのは至極普通の感覚ですが、それではダメなんです。皮膚が細菌の侵入を防いでいるように、この魔法は皮膚接触では効果がほとんどありません。直接お互いの体の内側を触れ合わせていないといけないのです。
さて、話を戻しますが、君がロンに負わせた怪我――顔面を吹き飛ばしたせいで、通常の方法が使えなくなりました。言っている意味がわかりますか? 彼の口がなくなってるんですよ。ですので今回は異例ですが、反対側から治癒魔法をかけてもらいます。
ということで、ハリー。いますぐロンのケツにキスをしなさい』
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