第22話 とある番組のゲスト (???年)
1982年10月と言えば、お昼休みの定番長寿番組、『友達の輪』でお馴染みだった某番組が開始した時である。前世では観てる側だけで接点はまったく無かったが、今生では僕の夢はいずれゲストに呼ばれたいと思う。芸能人の友達増えるといいな・・・。
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数年後その番組で、
「今日のゲストは『みかん』ちゃんだ~!」
「「「「「うぉ~!」」」」」
「皆さん、初めましてみかんと申します。」
ぺこりとお辞儀する。
「単刀直入に言うけど身長に似合わずダイナマイトだねぇ~。」
にこにこ・・・。
「街を歩けば皆振り返らない?」
「は~ドラドラ、ドラドラ。」
切り返す。
「あれ?そのネタ知ってるんだね?」
「はい。聞いた事があります。」
「え~わからない人向けに言うけど、昔半年間だけ放映していた某ネコ型ロボットのオープニングの歌詞をもじった物だよ。みかんちゃんよくわかったね。」
「はい。お兄様が原作のファンでしたので。それにビデオに録画していた物や再放送されていた物を視た記憶があります。印象に残る歌詞なのでその部分は覚えています。」
「へ~。そうなんだ!」
「へ~!へ~!へ~!」
「なんだい?それは?」
「いえ。つい口に出てしまいました。」
危ない危ない・・・。
「まあ、いいか~。で、見事なダイナマイトボディーなんだけど私生活に支障とかない?」
「はい。もう慣れましたが、どうしても猫背になりやすい事でしょうか。それに足元が見ずらいと言うのもありますね。」
「よく聞くけど、肩こりとかは大丈夫かい?」
「ん~。どうでしょう。あまり意識しないのでわかりませんね。もしかしたら肩こりしてるのかもしれませんがどうでしょうかね。」
肩こり。本来なら僕の様な身体つきの人はなりやすいと聞く。
でも適正なブラジャーをしていて肩こりはならないと聞くが実際の所は特殊能力『設定』で肩こりしない様にしているという裏技を使用してる。
「で、話戻すけど振り返ってくるかい?話に聞くけど昔は顔出しNGでミリオンセラー連発だったんだってね?それもあまり目立ちたくないからの事らしいけど。」
「はい。当時の私はあまり目立つのを極端に嫌っていました。でも色々と活動の幅を増やそうと思いまして、遂に顔出し解禁して演劇の道に励んでいこうと思いました。」
「そうなんだね。新進気鋭の女優としてみかんちゃんが頑張っているのを視ると僕も頑張ろうと言う気持ちになるよ。」
「ありがとうございます。」
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「ではそろそろ友達を紹介してもらおうかな?」
「「「「「えぇ~!」」」」」
「では私が小さい頃からお世話になっている方を紹介します。」
僕はポケットから電話番号を取り出し、アシスタントの方に手渡す。
そして待つ事数分。
「もしもし?」
「こんにちは。私でございます。」
「やぁ~君かい?一体どうしたんだい?」
「はい。お忙しい所申し訳ありません。ちょっとかわってもいいでしょうか?」
「君からならいつでも大歓迎だよ。大丈夫だけど誰だい?」
「もしもし?」
司会者が電話を引き継いで話しかける。
「ああ、こんにちは。元気してるかい?」
「おお、その声はもしかして作曲家の〇〇先生?」
「うん、そうだけど?ああ、そう言えば今日みかんちゃんがゲスト出演すると聞いていたな。」
「明日時間大丈夫でしょうか?」
「みかんちゃんの紹介ならこちらからでも頼みたいくらいだよ。是非ともよろしくお願いします。」
司会者とピアノのレッスンの先生との会話が続き、先生が快諾したところでCMに入った。
僕は今回の出演は忘れられない出来事して記憶に残る事だろう。
でも後日数回出演する事になるのはまた別の話。
生放送終了後、司会者の楽屋を訪れた。もちろん開始前にも訪れたが2回目ともなると先方も喜んでいてくれてる様だった。
「お疲れ様でした。今日はありがとうございました。」
「お疲れ様。こちらこそありがとう。」
数分程話した後、
「では私はもうそろそろおいとまいたします。」
「まだ大丈夫なのに・・・。わかったよ。」
「また共演出来ると嬉しい事でしょうね。」
「共演出来るといいね。」
「長居して申し訳ありません。ではそろそろ失礼致します。おやすみなさい。」
「じゃあね。おやすみ。」
僕は興奮していた。前世で憧れていた司会者の方に逢えた事と番組に出演した事。
夢が一つ叶った。
数日後、日曜日に編集版が流れ客観的に僕の受け答え等を確認する。
分かった事。
『みかん』ちゃん事鏡原三花ちゃんはやっぱり可愛い。
僕はナルシストではないつもりだけど今は僕が三花ちゃんとして生活している。
それが可愛いならなおさらだ。
性格も負けず劣らず良い子だ。
どこに嫁に出しても恥じないくらいの子にするつもりだ。
でも結婚か・・・。お相手はどうなるんだろう・・・。
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