イーブン・フレンズ

江倉野風蘭

イーブン・フレンズ ①

 ──今から八年前、私とあの子がまだ小学6年生だった頃。

 私たちは至って普通の日常を送っていた。朝は一緒に登校して、休み時間中にはお喋りをして、掃除の時間には「ちょっと男子ー!」なんて言ったりして、一緒に下校して……なんていう、もう本当に普通としか言いようのない日常を。


 そんな日々がずっと続いていくんだと、あの頃は漠然と信じていた。というより多分、続いていってほしいと願っていた。無意識の奥底の方で。

 それは言い換えればあの子と──一番の友達であるさくらとずっと一緒にいたかった、ということなんだろう。隣にはいつも当たり前のようにさくらがいて、目が合うたびにあのはにかんだ笑顔を返してくれる、そんな日々が続いていってほしかった、と。


 ……本当に。

 そんな日々が続いてくれればよかったのにと、今まで何回思ったことか。

 今日からちょうど8年前、さくらが“あいつら”に連れ去られたあの日以来……!

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