勉強しないまま １円も損しなかった 株の話（２０２２年改訂）

第5話 株は難しくない

次に多くの人が思っている『株って難しい』というのも間違っている。

『株で１億円稼ぐのは難しい』これが正解だ。

それなのに売っている株の本は、なぜか１億円稼ぐやり方ばかりを教えてくる。

だからリスクも出てくるし、難しくなってしまう。

本屋の立ち読みでぱらぱらと本をめくってみたら、頭がパンクしそうなことばかりが書かれていて挫折した人も多いと思う。

本に書いてあるような難しいことを知らなくても、普通に株を保有するだけなら簡単でメリットがいっぱいなのに。

最初に欲しい会社の株を買えば、あとは放置しておくだけで毎年数千円の配当金が貰えて、株主優待として商品が家に届く。

基本はこれだけだ。

ここに欲張って売り買いして儲けてやろうとか、我先にお得な株を手に入れようとしだすからついていけなくなってしまう。

大抵の本はこの面倒なことを教えてくる。

成功者が書く『株で儲ける』のような、儲けを全面に押し出して注目を集めるものばかりだ。

数千万円、数億円儲かったと言われても、そんなのは一部の熱心な勉強家や潤沢な資産を持つ人だけと他人事のように思えてしまう。

少し読んでみたのだが、早朝からニューヨーク市場を読み取るだとか、一年間の傾向を分析するなど、まるで受験の参考書のようだ。

毎日勉強し続けないと儲けられないなんて、聞くだけでうんざりな気持ちになる。

しかも「株のプロはこのタイミングで買う」などと書かれていると、それができない自分は大損してしまうのではないかと不安を抱いてしまう。

だから大儲けを目指すことよりも、損をすることなく、給料＋αになればいいと願う人向けに書いてみた。

「そうなんだ。株って借金することもないし、１億円稼ごうとしなければ簡単なんだ。でもそれってどうすればいいの？」

そう思ったことだろう。

それに答えていくのがこの本である。

なぜならここには素人が勉強をしないまま、１円の損もしないように株を買ってきたことしか書かれていないのだから。

よく分からないまま株を買ってみることにした主人公の小説だと思ってもらった方が近いかもしれない。