文房具の叫び

朝 夕

第1話 痛がりシャーペン

ここは勉強机の上。文具たちは今日も会議をします。

シャーペン

「俺は反対だ!なんな痛いことされてたまるかよ。」

定規

「まぁそう怒らなくてもいいんじゃないか?」

シャーペン

「いーや。あんなことされて怒るなっていう方が無理あるだろ。おいボールペン。お前なら俺の気持ちわかってくれるよな?」

ボールペン

「わからなくもないですけど、、、。」

シャーペン

「だろ?やっぱりお前は違うなぁ。」

消しゴム

「でもそんなに痛いの?」

シャーペン

「痛いに決まってるだろ!なぁボールペン。」

ボールペン

「はい。でも私はシャーペンさんほどされてないので。」

定規

「実際そんなに痛くないんじゃないの?俺からしたら消しゴムの方が、痛々しくてみてられない。」

消しゴム

「確かに痛いよ〜。でも慣れたら気持ち良くなるのよね〜。」

シャーペン

「痛みで喜ぶようになったら末期だぜ?w」

消しゴム

「そんなこと言わないでよ」

ボールペン

「でも私、シャーペンさんが言おうとしてることちょっとわかる気がします、、。」

消しゴム

「ボールペンまで、、、。」ぐすっ

定規

「ちょっと?消しゴム、大丈夫か?」

ボールペン

「シャーペンさんが泣かせた。」

シャーペン

「ちょ、なんで俺?」

消しゴム

「シャーペンのバカ!」

シャーペン

「なんでなんだよ!泣きたいのはこっちの方なのに。うわー!」

ボールペン

「シャーペンも泣いてる」

定規

「おいなんだここ。地獄か?大の文具がめそめそと。ほら大丈夫だから。な?よしよし。」

ボールペン

「大変ですね。」

定規

「大変ですねじゃねーよ。お前も手伝え。」

ボールペン

「え?」

定規

「え?じゃなくて、やるんだよ。早く!」

ボールペン

「もぉ、仕方ないですね。貸し1ですよ?」

定規

「なんでなんだよ!」


10分後


消しゴム

「なんであんたが私より泣いてんのよ。シャキッとしなさいよ!」

シャーペン

「元はと言えばお前が泣き出すからだろ?もういい。ぐすっ。とにかくどうやったら俺の怒りが治るかみんなで考えるぞ。」

消しゴム

「そういえば今日はどんな議題なの?」

定規

「消しゴムは遅れてきたから内容しらないんだっけ?」

消しゴム

「そうよ。痛いとか言ってたけど何が痛いの?」

シャーペン

「それはな、、、。」

ボールペン

「あんまり期待しない方がいいですよ。」

ヒソッ

消しゴム

「え?」

シャーペン

「主人(しゅじん)のペン回しのせいで、毎日毎日地面に叩きつけられてるんだ!もううんざりなんだよ!」

消しゴム

「ねぇシャーペン。」

シャーペン

「なんだ?」

消しゴム

「その議題。だいぶしょうもないね。」

シャーペン

「え?」

消しゴム

「みんなそう思ってると思うよ。ね?」

シャーペン

「そう、、なのか?」

ボールペン

「正直、しょうもないと思います、、、。」

定規

「議論するようなことでも無いと思う。」

シャーペン

「みんな、俺の気持ちを理解してくれると思ってたのに。うわー!」

定規

「そんなに泣くなって。みんなお前のこと嫌いで言ってるわけじゃ無いんだしさ?な?そうだよな?」

消しゴム

「そうだよ。私だって別に泣かせようなんて思ってないし。」

ボールペン

「私もです。」

定規

「な?大丈夫だって。元気だしなよ。」

シャーペン

「本当?ぐすっ。みんな、ありがとう。」

消しゴム

「次は真剣に話聞くからさ。」

定規

「ちゃんと解決できるようにしようぜ?」

ボールペン

「あ、ご主人様しゅじんさま。」

3人

「まじ?」

主人

「さぁ。今日も練習するか!」

シャーペン

「なんでなんだよ〜!」

消しゴム

「あらら」

定規

「行っちゃったな。」

ボールペン

「行っちゃいましたね。」

定規

「策は作れても主人あるじを止める力なんて俺たちには無いから。」

消しゴム

「頑張ってね〜。」

シャーペン

「助けてくれ〜!痛っ!」




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