第七話 商人『ランド』 二
「あ、
「いやいやゴミ君。僕も悪かったね。ゴミが話すのではなく、ゴミのような人間が話していただけなんて失礼したよ」
「ははは、ご冗談を」
「「ははは」」
言わずもがなこの椅子も中々に
これも全部買えないといけないか? 一層の事金をばら
「で、ゴミ君はニアとどのようなお話を? 」
「ゴ……。いえ、私は彼女にお金を貸しているのですが返してほしくはせ
「しかし何やらこの建物の話も出ていたようだけど? 」
「それにつきましては
「へぇ。幾らかい? 」
そう言うと少し苦い顔をしながらこちらを見る。
「……
「へぇ。なら……バトラー」
「はい。こちらになります」
「え……」
後ろに
それに驚き固まるゴミ。
「か、確認させていただいても? 」
「構わないよ」
そう言いながら恐る恐ると言った顔でそれを手に取る。
目の前まで持ってきて
先に
「その白金貨の
そう言いながら腰にあるアイテムバックに手をやり冒険者証を彼に見せる。
すると驚きと共に顔色が青くなっている。
いやはやゴミとはここまで顔色を青く出来るのだな。再発見だ。
「そ、それはSランク冒険者のギルドカード! 」
「Sランク?!! 」
「で、信じるのかい? それとも冒険者ギルド全体に疑いを掛けるのかい? 」
ギルドカードと白金貨を何度も見て唇をかみしめながらゆっくりと白金貨を机の上に置くゴミ。
「ボクが立て替えておくよ。これでいいでしょう? 」
「え?! 」
「……しかし」
「何か問題でもあるのかな? あ、
「くっ!!! 」
本当に
紙が震えて落ちそうだ。
「……こちらになります」
渡してきた
と、言うかこれって。
「これ
「え?! 」
「いやだって相手側のサインがないし」
「そ、それは書き忘れただけで」
「それに細かいけどこの下の方。小さく書いてるけど日に日に金額が上がっていくように書かれている。
「それだけはおやめください!!! 」
その場で土下座という奴をしだすゴミ。
確か
「なんでやめないといけないのかな? 完全に国が
「そ、それはご領主が」
「なら領主とやらに聞いてみようか」
「お願いします! やめてください!!! 」
「いやだから何で」
ちょっと
無論ボクはこの領地の
だけれども彼の反応でこれが
ま、こうやって人の人生を
「まぁいい。何にしろ、
「もちろんですとも」
「じゃ、
「シャル。ならばこういうのは
「言ってみて」
「ゴミのゴミ
「それは良い!
「お任せを」
それを聞き軽く
最初の衝撃が強かったのだろう。ゴミの顔色が青を通り越して白になっている。
……。一応向こうであまり暴力を振るわないように言っておこうか。
バトラーは
それだけで人を殺せそうだ。
まぁやろうと思えばできるのだろうけれども。
このゴミは運がいい。ボクが隣にいるからまだ生きているのだから。
もし野生のバトラーに出くわしたらそこで死が確定だろうね。
「そういうことで」
「あ、ああぁ……」
声にならない声を上げ動かないゴミを軽く持ち上げたバトラーが扉の向こうへ行こうとする。
それを少し止めて軽く耳打ちをして扉の向こうへ行くのを見送った。
★
「ありがとうございました! これで一先ず何とかなりそうです! 」
「いやニアね。これからもまだまだ大変なのわかってる? 」
「ふぇ? 」
そう指摘するとわかっていないように首を
「一時的にあの
「え、でもさっき」
「あんなの一時しのぎにしかならないよ。それに一応ボクに白金貨一枚
「が、頑張って返します! 」
「頑張るのはいいけれど、本当にどうするの? 」
問い詰めると黙ってしまった。
しかし本当の意味で解決になっていないのは間違いない。
まずあの手の者は次の手を打ってくる。それも悪質な方法で。
それを回避すべく
ん~、と少し腕を組んでいると何か
「お願いします!
そう言い彼女は少し震えながら勢いよく頭を下げた。
「魔技を教える、ね。何の為にかな? 」
「もちろん技術を高めてお金を
「でもすぐに効果があるわけではないし」
「もちろん
そう言い彼女はそのまま部屋を出ていった。
何かをとりにいったのかな。
まぁ確かにボクの技術と彼女の技術は
何せ彼女の父に技術を
だから彼女に技術を渡してもそれが
タタタ……。
手に紙のようなものを持って部屋に来る。
そしてそれをボクに勢いよく見せた。
「ルーカスの町で行われる魔技職人によるコンテストです」
ほほう。
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